「社会保険料」は誰のために払っているのか
お子さんやお孫さんの給与明細を見たことはあるだろうか。年収350万円の単身世帯が負担する社会保険料は年間約50万円にのぼる。所得税(約7万円)の実に7倍以上だ。さらに同額を雇用主も負担している※1。「手取りが増えない」という若い世代の切実な声は、この構造に起因している。
――しかし、この社会保険料は“搾取”されているのだろうか?
実はそうとは言い切れない。この保険料相当部分は、親や祖父母世代の医療・介護を支えている。後期高齢者の医療費のうち、窓口負担を除いた約4割は現役世代の負担で賄われている※2。そしてその医療があるからこそ、家族が高額な医療費を全額自己負担するリスクから守られ、介護による離職リスクも軽減されている。社会保険料は、家族・社会全体を守る仕組みなのだ。
世代を問わず生活を守るうえで重要となる社会保険料。その重要な使い道のひとつである医療政策は、今後どうなるのだろうか?
そのヒントは、自由民主党と日本維新の会が連立政権樹立時に締結した「連立政権合意書」にある。連立政権合意書とは、様々な政策項目に関する方針や施策素案が盛り込まれた文書だ。社会保障に関しても13の施策が盛り込まれている。
年齢によらない応能負担の実現、高齢者の定義の見直し、大学病院や高度医療病院の経営安定化、医療の費用対効果分析、公的保険と民間保険の活用に関する検討――。テーマは多岐にわたる※3。
この連立合意書の内容を読み解くことで、特に私たちの生活に大きな影響を与えることが予測される主要な政策の方向性が見えてきた。
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【13施策の見取り図】
