今回の13施策のうち本稿で取り上げた応能負担の深化や生涯現役社会への転換は、この装置を次の時代にも機能させ続けるための見直しにほかならない。
制度が動き出す前にできる“3つの備え”
制度設計はこれからだ。過度に不安になる必要はないが、方向性が明確な以上、その方向に沿った備えは有効である。
① 健康という“最大の資産”を守る
医療費の自己負担がどう変わろうと、最も確実なリスクヘッジは「そもそも大きな病気をしない」ことだ。定期的な健康診断、予防医療、運動習慣。「病気を診てもらう」から「病気にならない」へのシフトは、家計防衛策でもある。
②「働ける自分」を維持・更新する
制度が「生涯現役」を後押しする方向に動く以上、自分の経験やスキルが社会で求められ続ける状態を意識的に作っておくことは大きなアドバンテージになる。定年後に「何をするか」ではなく、いまから「何ができるか」を棚卸ししておきたい。
③資産を“見える化”しておく
金融所得が負担判定に反映される時代が来る可能性がある以上、自分の資産構成を把握し、NISA・iDeCoなどの税制優遍制度を戦略的に活用しておくことは合理的だ。
今回の連立合意書が描くのは、年齢ではなく能力で、個人ではなく家族で、対立ではなく共助で支え合う社会の方向性だ。その制度の詳細を作るのは政治だが、その社会で自分がどう生きるかを設計するのは、私たち自身である。
