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「シックスパッド」の会社が《赤字転落→「リファ」で美容業界を席巻》の現在…"ホームランを狙わない"すごい開発術

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  • 岩崎 剛幸 経営コンサルタント/ムガマエ代表取締役社長
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結果的に売価を高く設定しやすく、その後も価格を維持しやすいといった特性があります。同時に、為替の影響や、売り上げの上下によって、スピーディーな需給調整や原価コントロールがしやすいというのも、結果として高い粗利率確保につながっています。

「ホームランを狙わない」新商品開発力

当初、同社が上場をした頃は、シックスパッドのイメージが強く、「たまたま健康分野の新商品が当たった」という印象がありました。いわゆるホームラン商品の開発です。

その後同社は大赤字に陥り、再度、商品開発の考え方そのものも見直しました。

「ヒット商品を続々と送り出す秘訣を一つ挙げるなら、ホームランは狙わないこと。私たちが常に目指しているのはバントヒット」と同社の松下剛社長はメディアに語っています。

しかし、最近の同社のヒット商品は結果的にホームランになっているものもありますが、実はディテールにこだわり、たくさんの新商品を開発していった結果、大当たりが飛び出しているのです。

筆者の家にも、リファ製品がいろいろとあります。ドライヤーも毎日のように使っています。ドライヤーは高単価商品なのですが、劇的に速く乾き、髪もしっとりまとめてくれるため、大変重宝しています。

また最近、「女子高生のほとんどが持っている」というハート型のヘアコームをご存じでしょうか。

これは同社の「Aira(アイラ)」というヘアコーム(くし)で、2970円とリーズナブル。一見、地味な低価格帯の商品ですが、これが10代女性の間で爆発的に売れて、結果的に同社のブランドを幅広い年代に広げ、新規顧客を開拓する入り口商品となりました。

同社のハート型ブラシやヘアコーム、ヘアドライヤーなど(写真:筆者撮影)

24年3月末に累計300万本を突破し、25年12月には単月で約30万本を売り上げています。この単品だけで累計100億円以上の売り上げを作った計算になりますから、同社の超一番単品と呼んでいいでしょう。

同社の商品を使用して感じるのは、いずれの商品も機能性が高く、誰にでも使いやすく、そしてデザインにこだわっているという点です。他社商品と見比べると、その光沢感、見た目の洗練度合い、操作性、手触り感などを徹底的に研究していることがわかります。

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【ファブレス企業の経営特性を、思い切り生かした結果】

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