富士屋本店の加藤雄三氏に店舗を構えての状況を聞いた。
「最初は初めてのところで不安だらけ。何度も足を運んだ末、安田不動産さんが街をよく知っているとのことで、思い切ってやってみようと決心した。
オープンしてみると、最初から安定してお客様が来てくれた。実はオープンの前に、地元の餅つきイベントに参加。それで地元に入り込めたのが良かったのだろうと思う」
地域住民はファミリーから単身赴任者、30〜70代と幅広い層が訪れてくれる。また、東京シティエアターミナルが近隣にあるため、航空関係者も客には多い。平均80名ほどの客が訪れ、売り上げも良いとのことだ。
「とにかく客筋がいい。飲み方がきれいで深酒をしないし『このソースが美味しかった』など細部まで誉めてくれる方が多い。浜町は伸び代があるし、どんどん良くなっている。地元の方と一体になって街を盛り上げていきたい」(加藤氏)
新旧住民の溝をどう埋めるか
上記のように店舗誘致は順調に進んだが、次に立ちはだかった難問が新旧住民、そして周辺オフィスで働くワーカーの間にある溝だった。浜町にはワーカーも多く昼夜人口がほぼ同じという特徴があり、街づくりにはワーカーを巻き込むことも欠かせなかったのだ。
ここで腕を振るったのが、コミュニティづくりのイベントなどを企画するグッドモーニングス代表取締役の水代優氏。2017年に浜町に拠点となる「HAMA HOUSE」を置き、会社の事務所を移転、「浜町を盛り上げる会」を立ち上げた。話し合う内容はイベント活動や防災、公園の使い方など、多岐にわたる。
町会や商店会、企業などから集まった10人ほどで始まったが、徐々にメンバーを増やし、2020年には「一般社団法人日本橋浜町エリアマネジメント」として法人化。現在では個人・法人あわせ会員は40以上、定期的に開催する浜町エリアマネジメント協議会には、60〜80名が参加する。
そしてもう一つ、コミュニティづくりに役立ったのが月末交流会だ。開催日ごとにテーマが決まっており、例えば「スポーツ」がテーマであれば、同じスポーツが好きな人同士がグループをつくって交流する。
「新旧の住民、企業から参加している人などが固まることなく、打ち解け合えるのがポイントだ」(グッドモーニングス代表取締役 水代優氏)
月末交流会のその他イベントや「部活動」など、住民の交流を促す催しを数え切れないほど開催している。
次ページが続きます:
【ランニング部や読書部など】
