ホルムズ海峡封鎖危機で強まった日本の「アメリカ頼み」/対米追従を選んだのは日本国民だ/高市早苗と田中角栄の違い
その後続く中曽根康弘政権、そして小泉純一郎政権という親米政権は、日本の従属化をより強める結果になったのである。
その意味で高市政権の睥睨(へいげい)外交は、まさに田中の失敗によってのまされた敗戦国日本の象徴といえるかもしれない。田中と安倍を除けば、八面六臂で勇気を持って独立外交政策を断行した政権はいなかったともいえる。
ここに1冊の本がある。ノンフィクション作家の柳田邦男(1936年~)による『狼がやってきた日』(文春文庫、79年)である。これは73年の石油ショック当時から5年後に振り返って書かれたルポルタージュだが、その年に「狼」(エネルギー危機、後進諸国の反撃)がやってきたというのだ。
柳田邦男の『狼がやってきた日』
柳田は「あとがき」にこう書いたが、これは予言的である。
あれから1995年の神戸大震災、同年のオウム真理教事件、2008年のリーマンショック、11年の東日本大震災、20年の新型コロナウイルス感染症の拡大と、なんども「狼」がやってきている。となれば、その教訓が生かせたのかが問題だ。
とりわけ1973年の石油ショックでは日本列島が大混乱となり、国民全体が買い占めに走ったことは今でもよく知られている。そして政府も石油を求め、急ごしらえの使者をあちこちに送り、狂奔したのである。
しかし今回は、極めて静かである。備蓄量が大きいということが一つにはある。これは前回に学んだことである。しかも石油に関しては政府が統制していることも大きい。そして国際的協調があることも強みでもある。
しかしながら、ホルムズ海峡の海上封鎖が長引けばその備蓄はやがて底をつく。すでにいくつかの国では悲鳴があがっている。国際協調も崩壊していく可能性はある。



















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