たとえば、アメリカとイタリアの二国間で結ぶ補足協定は基地ごとに結ばれるが、「シゴネラ基地使用に関する実務取極」6条3項には、次のような規定がある。
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は3月中旬に議会で、イラン攻撃は国際法の枠外にあるとして自国の不参加を表明した上で、米軍が自国内の基地を使用する場合、政府の判断と議会の決定にもとづき、二国間協定に従って許可することを明言した。そして3月末、「事前通知がなかった」(=二国間協定上の要件を満たしていない)という理由をつけて、米軍の基地使用を許可しなかった。実質的には、米軍のイラン作戦への協力拒否である。
スペインも開戦当初から、イラン攻撃に関与する米軍機に対して領空を閉鎖している。同国は3月31日、NATO同盟国の「集団防衛」に限って自国の基地使用を許可すると発表した。フランスも、イスラエルがイラン交戦用の米兵器を輸送するために領空を使用することを拒否した。
他方でイギリスは当初、米軍の自国内の基地使用を拒否したが、その後「限定的な防衛行動」に限って許可した。ポルトガルもイラン攻撃には関与しないと強調した上で、アメリカとの二国間協定の範囲で、「防衛作戦」に限定して米軍の使用を認めた。ルーマニアも、後方支援を目的とする米軍の使用を許可している。
西欧諸国の例外はドイツで、ヨーロッパ最大の米軍拠点であるラムシュタイン空軍基地の使用を禁止することはないと、フリードリヒ・メルツ首相が明言した。米軍の作戦が国内法や国際法に違反しない限り、ドイツ国内の基地使用は保証されている。ラムシュタインは対イラン作戦の拠点であり、攻撃ドローンの指揮は同基地から行われている。
世論の影響が大きい対米協力の可否
どのNATO加盟国も、アメリカとイスラエルのイラン攻撃で自国の基地を使わせるかどうか、政府の判断の背景にあるのは世論だ。イタリアを例にとってみよう。




















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