寝入った母を見届けると、次に起きてくるまでの間、家から3分の公園へ行き、全力で踊った。イヤホンで音楽を聴いて、飛び跳ねた。時には、好きな音楽を聴いて思いっきり泣いた。
介護生活がはじまって10年、95年生きた母が亡くなった。
「ほっとした感が強かったと思う。認知症やったし、どうしようもなかったから。もう95やしね。本人も良かったと思う」
69歳で見つけた「お金をもらえるジム」
介護生活を終えたロコリさんを待っていたのは、思いもよらぬ出会いだった。いつもの散歩コースに新しくマクドナルドがオープンした。立ち寄ってみると、シニア向けバイト募集の広告が目に飛び込んできた。広い店内には、デザインにこだわった椅子やかわいい椅子が並んでいた。
「こんなおしゃれな空間にいられたらいいな」
新しい仕事を探そうと考えていたロコリさんには、ある考えがあった。
「販売はずっとやってきたから、他のことしたいなと思って。同年代が集まるとね、介護や病気の話ばかりになるから、そういうのは、もういいかなって思ってた。人って環境による空気を纏うから、暗いお店とか空気感が重いお店にいたら自分の空気感まで暗くなる。だから活気のあるところに行きたくて」
やったことがない職業。トイレがきれいなこと。外が見えること。そして、若い人たちと働けるところ。
「あ、ここピッタシじゃんって」
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【「今が一番生きやすい」】
