69歳、マクドナルドの店員となった。広い店内を動きまわり、ゴミ処理やトイレ掃除と忙しく働いた。「お金をもらうジムって感じ。靴の擦り減り方とか半端なかった」と笑う。
高校生や主婦、働く人たちはみなエネルギッシュだった。週3日ほど働きながら、冒頭に記したようにYouTubeチャンネルを開設したロコリさん。マクドナルドは3年ほどで卒業し、今はYouTubeとエッセイの執筆、講演の依頼にも応じている。
ぜんぶが、ここにはあった
「今が一番生きやすい」
ロコリさんはこう語る。
年を重ねていくなかで、漠然とした不安を抱えたり、若い人を羨んだりしてため息をつくときもあった。だけど今は、違う。何が彼女を変えたのか。
「私の居場所が見つかった、っていうよろこびが大きい。YouTubeって自分の得意なことをぜんぶ合わせて自己表現ができるから。誰からも文句言われんし。自分の100%みたいなことができてる」
ロコリさんのYouTubeには喋りがほとんどない。画面に流れる文章と、自ら選んだBGMで構成されている。書くことが好きだった。音楽はいつもそばにあった。ファッションは人生そのものだった。そのぜんぶが、ここにはある。
収入は、年金月5万円にYouTubeの収益とエッセイの原稿料、講演料。YouTubeの収益は良い月で12万円くらいだが、工夫してやりくりしながら暮らしている。
そうはいっても暗いニュースが多い今、この先30年も40年も生きることが不安だ。どうしたら楽しく生きられるのか。46歳の私が聞いてみた。
「怖いよね。怖かったけど、この年になってみればこんなもんかって感じ。年金から引かれるものも多くて、えーって思うけど、なんとかなる。やっぱり、興味のある方向に行ってみる。興味のあることやってみる。私だってぜんぶうまくいってるわけじゃない」
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【YouTubeから広がった人の縁】
