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「自分は正しい」が根源、《学校でパワハラ多い理由》"外で評価が高い校長"ほど学校内で教職員が苦しんでいることも

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学校現場でパワーハラスメントが起きやすい要因とは?(写真:takeuchi masato / PIXTA)
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こうしたパワハラをより深刻にしているのが、外部評価と内部実態の乖離である。

「外部評価が高い校長ほど、実は学校内では教職員が苦しんでいることもあります。なぜなら、研究発表や改革の発信など“見える成果”を優先するあまり、職場の関係性の尊重や教職員の心理的安全性の確保など“見えない部分”が後回しにされてしまいがちだからです。

教育委員会やメディアは、見える成果でしか判断できません。そうした成果は好意的に取り上げられやすく、『うまくいっている学校』として発信されやすいもの。そのため、内部で教職員が苦しんでいても評価は高まり続け、かえって問題を見えにくくしてしまうこともあるのです。

もちろん、外部評価と内部評価の両方が高い校長も確かに存在します。見える成果と見えない関係性の双方を大切にし、健全に運営している実践もあります。しかし、構造的には“見える成果”が優先されやすいことには注意が必要です」

リーダーの思考スタイル、5つの段階

こうした“見えにくい圧力”は、なぜ生まれるのか。住田氏は、制度や環境だけでなく、リーダーの「思考スタイル」にも注目している。

アメリカの組織心理学者であるアダム・グラント氏が示した思考スタイルの枠組みをもとに、管理職向けの研修を実施。リーダーの思考スタイルは、大きく5つの段階で捉えられるという。

最も低い段階は、「自分が正しい」と言い張る「カルトリーダー」タイプだ。相手の意見を受け入れず、「間違っているのは相手だ」と対立を強めていく。

次の段階は、「政治家」タイプである。自分の立場を守ることを優先し、都合のよい主張を広めていく。

3つ目は、「反対者」タイプ。他人の主張の欠点には敏感だが、自分の限界には気づきにくい。

4つ目は、「批判的思考者」タイプだ。「自分も間違っているかもしれない」と考え、異なる意見に耳を傾けながら、自分の考えを見直していく。

そして最も高い段階が、「学習者」としてのリーダーである。他者の意見から学び、組織全体の知を統合していく存在だ。

住田氏は、この違いがパワハラの有無に直結すると指摘する。

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【パワハラを防ぐカギは「ご機嫌」と「自己認識」】

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