そのため、店内はセルフ式になっていて、テーブル席に加えてカウンターも用意されている。商品の価格も中価格程度で、最も手軽なハウスブレンドは税込み500円程度。ターゲットとして、学生やサラリーマンなどが射程に入っているのだろう。コナズ珈琲ではあまり狙われていなかった層であり、あらゆる点でコナズ珈琲との差別化が意識されているのである。
こうした違いをより顕著に表しているのが、その立地である。
コナズ珈琲は郊外のロードサイドが主要な出店場所である。店舗スペースを広く取る必要があるし、特別感の強い業態ゆえ、広い商圏から人々を集める必要があるのだ。特に子連れの女性などが自家用車で乗り入れてくる場合が多いのだろう。
対して、KNOWS COFFEEは駅前出店を主にして出店されていく。1号店である津田沼店も駅直結のイオンモールの中にあって、駅の改札から歩いてすぐ。今後出店される2号店は、埼玉県越谷市にある日本最大のショッピングモール・イオンレイクタウンが予定されていて、ここも越谷レイクタウン駅からほど近い。
こうした違いは、コナズ珈琲が主に「自動車」を使う人々を、KNOWS COFFEEが「鉄道」を使う人々を想定しているとも言える。自家用車を持ち、郊外を移動する女性と、電車で移動をする学生やサラリーマンである。従来のコナズ珈琲では、基本的に前者がターゲティングされてきたのに対し、KNOWS COFFEEはそこで取りこぼしてきた客層をも取り入れようとするものだろう。むろん、そうはっきりと分けられるものではないが、大まかに見れば、このことは指摘できるはずだ。
その意味で、今回の新業態出店は「鉄道を使う人」にまでターゲットを広げた、と言えそうだ。
広がる「鉄道」需要の受け皿
こうした流れは、別の外食チェーンでも起こっている。
例えば同じ喫茶店では、2025年4月にコメダ珈琲店がジェリコ堂という都市型店舗の出店を始めている。コメダ珈琲店はもともと、名古屋の郊外からスタートしており、「自動車対応」型のチェーンだった。ちなみに、コメダ珈琲店の設計は「駐車場から始まる」とも言われていて、車社会への目配せがよくわかる。そんなコメダ珈琲店も近年では都心型店舗を増やしていたのであるが、そこにきてわざわざ「都心型」を銘打った新業態を出店したわけだ。「鉄道需要」(そう言ってよければ、だが)を取り込んでいる。
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【都心型店舗を新規出店する背景】
