「23歳のときに大好きだった母親が他界し、仕事も続かなくなりました。4年間付き合っていた人からも婚約破棄をされました。今思えば、母に頼り切った人生だったので、母なしでどう生きればいいのか、生きる意味があるのかがわからなかったのです」
弟キャラの幸一さんは実際には長男で、弟が3人もいる。愛知県の実家では、亡き母とは不和で家庭内別居だった父親と、幸一さんと同じく発達障害の傾向がある弟との3人暮らしだった。安らげる家庭とは言えない。
ブログ記事を読んで驚いたのは純子さんだ。「なぜこんないい人が自ら死なねばならないのか。生きてほしい!」と強く願い、母親や牧師に相談。牧師からは「あなたの覚悟が必要です」との答えをもらった。
交際してからも幸一さんは自殺をほのめかすようなSNS投稿をして、父親や職場の人たちから必死に説得されて自殺を踏みとどまったりしていた。結婚準備のために100万円近くの借金を背負った挙句に婚約を破棄され、人間不信と絶望が深まっていたと明かす幸一さん。生きる力がやや低めの男性のようだ。
借金を払い、仕事を辞めさせ東北へ
牧師からのアドバイスもあって腹を据えた純子さんは愛知県に飛んだ。100万円の借金は肩代わりして、不向きな介護現場での仕事で疲弊していた幸一さんをひとまず退職させた。
「私は元カノ(元の彼女)さんに腹を立てていました。幸一くんと話していると、元カノさんの話が多いんです。借金を負わせて別れたくせに今でも彼の心を縛るのか、と。その原因が借金ならば私が払ってやる!と思ったんです」
結婚詐欺に遭いやすそうな心境だが、純子さんは結果的に幸一さんと結婚できなくてもいいと思っていたと断言する。それだけ覚悟を決めていたのだ。
純子さんの思い切った行動は功を奏し、仕事を辞めて心身を休めた幸一さんは気持ちが軽くなり、純子さんの地元にも遊びに来るようになった。そのうちに周囲から「結婚して東北に行くんでしょ。よかったね」と外堀を埋められ、相性の良くない弟が実家で暴れる出来事も勃発し、幸一さんは家を出て東北に行くことを決めた。



















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