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「糖尿病の人はリスクが2倍」「O型は早期発見率が高い」「遺伝の影響が大きい」 日本人が知っておくべき"膵臓がん"の新常識

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医師の診察を受ける人物
日本人は欧米人より膵臓がんの発症率が約1.5倍高い(写真:Jo Panuwat D/PIXTA)
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血液型の違いが膵臓がんの進行にどう関与するのかは不明ですが、これを解明できれば、精密医療の一環として、1人ひとりに最適な膵臓がん予防法や検査法を開発できる可能性があります。

さて、膵臓がんによる死亡率の変化で日本を含む6カ国を比較すると、日本は1950年代後半から大きく上昇し、25年ほどで欧米に追いついたのがわかります。韓国は日本に遅れて1980年代なかばから死亡率が急激に高まって、15年くらいで欧米の水準にいたっています。日本を追いかけている形ですね。

糖尿病を放置してはいけない訳

膵臓がんの発生と密接にかかわる環境要因の第1が、ズバリ糖尿病です。糖尿病の患者さんは、そうでない人とくらべて膵臓がんになりやすく、実際に日本では糖尿病と膵臓がんが競い合うように増加しました。

糖尿病と診断された男性は、そうでないグループより発症率が2.1倍高くなります。ひとたび発症すると進行が速くて、死亡率が高いことも知られています。

逆に膵臓がんが糖尿病を引き起こすこともあります。

糖尿病を発症して1年未満の患者さんは、そうでない人より膵臓がんが見つかる確率が約5.4倍高く、実は膵臓がんが原因だったと発覚することが少なくありません。

そのため、糖尿病と診断されてから3年以内の人、血糖値が急に不安定になった人、これまでと同じ治療で血糖値をコントロールできなくなった人は、膵臓がんが隠れていないか詳しい検査を受けることがすすめられます。

注意したいのは、糖尿病の治療を通じて血糖値が下がっても安心できないということです。血糖値をコントロールしても、それだけで、糖尿病でない人と同じ水準まで膵臓がんの危険が下がるわけではありません。

膵臓がんの発生には糖尿病の本質的な問題、すなわちインスリンの効き目の低下が関与しているため、減量し、食生活と運動を含む生活習慣を修正して、インスリンの働きを高めることが重要です。

糖尿病のほかに、膵臓で炎症が半年以上くすぶる慢性膵炎の患者さんも、膵臓がんに約12倍(!)なりやすいとされています。

慢性膵炎のおもな原因は過度の飲酒ですが、糖尿病と同じく、たいていは慢性膵炎と診断されてまもない人で、膵臓がんが発見されるようです。この場合も、先にできていた膵臓がんが慢性膵炎を引き起こした可能性があります。

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【内臓脂肪が与える影響】

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