続いて、望ましくない環境要因の第2が、糖尿病の原因でもある内臓脂肪の増加です。
日本人は内臓脂肪がつきやすく、内臓脂肪は膵臓がんの危険を高めます。日本で11万人を対象に実施されたコホート研究によると、20歳の時点でBMIが30以上だった男性は、BMIが正常だった男性より膵臓がんに3.5倍なりやすいことがわかりました。
また、BMIが27.5~29.9だった女性は、BMIが正常だった女性と比較して、膵臓がんの危険が1.6倍高かったのです。
内臓脂肪と膵臓がんの関係
これを引き起こしたのが、脂質のとりすぎと食物繊維不足、運動不足に象徴される食の欧米化です。
日本で欧米の食文化が拡大したのは1955~1973年ごろの高度経済成長期です。農林水産省の統計を見ると、1950年代から肉や牛乳の摂取量が目立って増え、同じ時期に男性のBMIの平均値が上昇しました。そして、ゾッとすることに、1950年代後半から膵臓がんがみるみる増えたのです。
同じ東アジアで体質が似ている韓国でも同じ現象が起きました。
同国の公共放送であるKBSの報道記事によると、1980年代の目覚ましい経済成長を受けて食への関心が高まり、食の欧米化が進みました。
1970年から2014年までの40年ちょっとで米の摂取量が半分以下に減った代わりに、肉と小麦粉、とくに動物性タンパク質の摂取量が爆発的に伸びたそうです。牛乳の消費も増えました。そして1980年代なかばから、膵臓がんによる死亡が急増しました。

