だが、いざ家計の収支を計算すると、なぜか赤字なのだ。別の口座にある貯蓄は増えているのに、家計の収支はマイナス。月末になると苦しくなるはずだが、現金が足りなければカード払いなどでしのげるので、慢性的な隠れ赤字家計が続く。
赤字の原因は、最初に設定した積立額が多すぎるから。まさにNISA貧乏と同じ構造だ。だが、本人は多すぎるとは思っていない。貯蓄も予定通り順調に増えているのだし、わが家は優秀な家計だと。そんな人に「赤字のようなので、積立額を減らした方がいいのでは」なんて言ったら、いかにショックだろうか。
赤字家計の宣告は、あなたはやりくりが下手だといわれたようなもの。さらに一度決めた積立額を減らせというのは、貯蓄にも失敗したと感じてしまう。結局は積立額ではなく、家計費の方をより削ろうとするわけだ。ますます貧乏サイクルに入ってしまう。さらに、積み上がった資産を引き出すのにも抵抗がある。目標金額に届くのが遅れるからだ。
今の生活より積み立てを優先する現象を見ているうちに、以前流行ったFIREを思い出した。仕事に縛られない経済的自由を得ようと早期リタイアを目指し、まずは1年の支出額の25倍(25年分)の資産を積み上げる。達成後は、それを年4%で運用することで生まれる不労所得で生活する。
とはいえ、生活費の25年分というのは、かなりの金額になるだろう。年間300万円だとすると7500万円が必要になる。余裕資金で投資すればいい、なんて甘いことでは早期のFIREは実現できそうにない。
今の生活がしんどいからと、その額を減らしたら、人生計画に失敗したことになりはしないか――将来のために真剣に投資に取り組む人ほど、そう考えて立ち止まれないのではないだろうか。
「クレカ積み立て」がNISA貧乏に迷い込むきっかけ?
若者がNISA貧乏に迷い込むきっかけは何か? と考えたとき、怪しいのが「クレカ積み立て」だ。
NISAでの投信買い付け資金をクレジットカードで決済すると、その購入金額に応じてポイントが付与される「クレカ積み立て」。この方法はNISAの積み立てをしながら継続的にポイントも稼げ、さらにそのポイントを投信の購入資金に充てることもできるという、一石三鳥のおいしい仕組みだ。


















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