台湾・馬英九元総統の側近更迭で波紋生じる国民党の対米・対中路線、党主席訪中はどうなるか
2026年3月、台湾政界で最も衝撃的なニュースの一つとなったのが、馬英九元総統の「分身」とも称された最側近、中国国民党(国民党)の蕭旭岑副主席が、出身母体である馬英九基金会から事実上切り離されたとの報道だった。
蕭氏は馬氏グループの中でも最側近の若手ホープとされ、基金会内でも陰の実力者と目されていた人物である。馬氏が総統離任後も中国訪問や共産党重鎮との面会をセッティングしてきたとされ、馬氏の考えや立場を最も体現する政治家と見られていた。
その人物が何の前触れもなく、突然、切り離されたのである。国民党はもとより、各界に衝撃が走ったのは想像に難くない。
主席が訪中するが…
先の党首選で親中派とされた現主席の鄭麗文氏だが、中国とのパイプは決して強いとは見なされていない。彼女のプロフィールを細かく見ていくと、中国とのやり取りの中でどこまで自力で動けるのか、疑問符が付く部分もある。
これは鄭氏の政治活動が主に台湾内部で築かれてきたことによる。
純粋に台湾政治史という文脈で見れば、鄭氏のキャリアは学生運動家から始まり、その後、民主進歩党(民進党)で活動し挫折。その後、国民党に転じ、ついにはトップにまで上り詰めた政治家と位置付けられる。
鄭氏の政治家としての原点とされているのが、1980年代後半に台湾で吹き荒れた民主化運動である。
当時、鄭氏は国立台湾大学法律系に在学中のエリートだった。戒厳令下の台湾で体制批判を展開していた「大学論壇社」でトップを務めるなど学生運動で活躍。「万年国会」の改革等を訴え、台湾民主化の転機となった野百合学生運動にも深く関与している。国民党の一党独裁に抗議し民主化を訴える当時の映像は、現在でもたびたび報道で流されている。
その後、民進党内でキャリアを積み上げていくが、あるセクハラスキャンダルをきっかけに大きく転機を迎えることになる。



















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