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ライフ #廃墟モールの経済学

スーパー、ドラッグストアが撤退しても…閑散とした廃墟モールで「100均だけが生き延びる」納得の理由

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  • 坪川 うた ショッピングセンター研究家・ライター
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また従業員数と臨時雇用者数からパート率を算出すると、100円ショップのパートの多さがわかる。ダイソーは約97.1%、セリアは約95.6%、キャンドゥは約86.6%、ワッツは約87.0%である。

100円ショップと比べると、スーパーとドラッグストアのパート率は低い。ライフコーポレーションは77.4%、ヤオコーは76.4%、ウエルシアホールディングスは62.3%、スギホールディングスは54.4%である(いずれも有価証券報告書や公式サイトによる)。

スーパーやドラッグストアと違って100円ショップがパート中心でも運営できるのは、専門知識が不要であるからだ。

この3業態はいずれも客が自ら商品を選び、店舗側は接客をしないセルフサービスが基本となっている。レジ打ちなどはパートが多いだろう。

とはいえ、スーパーでは精肉・鮮魚の加工や惣菜調理の技術が必要であるし、ドラッグストアでは医薬品を扱う有資格者を配置しなければならない。店舗によっては化粧品のカウンセリング社員も常駐している。

だが100円ショップの商品はすべて完成品で、法的資格も必要ない。接客は、在庫の問い合わせ対応や陳列場所の案内程度だ。最低限の接客スキルは必要であるものの高度な知識は求められず、パートでも問題なく運営できる。

100円ショップは専門知識が不要な業態であることから、人件費を抑えられるのだ。

「廃墟モールに100円ショップ」は偶然ではない

競合に客足を奪われ、かつての賑わいを失った廃墟モールにおいては、広域商圏を必要とするテナントは成り立たなくなる。次々とテナントが撤退し空き区画だらけになったモールで営業を続けられるのは、近所の人が日常的に使うスーパーやドラッグストア、100円ショップなどだ。

そのスーパーですら営業できなくなっても、100円ショップは生き残っていることが多い。専門知識が不要で、社員を店舗に常駐させないローコストオペレーションである100円ショップは、閑散とした施設でも利益を出しやすいからだ。周りに店舗がなくても、自店舗で集客できる集客力の高さもあるだろう。

廃墟モールに100円ショップがあるのは偶然ではないのだ。

【もっと読む】「色褪せた外壁、錆びた柵」「施設全体が寂れた雰囲気に」…空床だらけで閑散「多摩の廃墟モール」失敗の要因 では、多摩にある廃墟モール「クロスガーデン多摩」を、ライターの坪川うたさんが現地を訪問。詳細な写真とともに解説している。

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