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我が子の前で「担任ガチャ外れ」「新任だけど大丈夫?」と安易に口にする保護者の盲点 《親の不信感は教室にどう影響?》

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  • 樋口 万太郎 中部大学 現代教育学部 現代教育学科 准教授
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「先生、2年目でしょう? 初めての6年生担任なんでしょ? 前の学年で学級崩壊があった子どもたちを、本当に任せて大丈夫なんですか? 正直、とても心配しています」

みんなの前で言われたその言葉は、今でもはっきり覚えています。悔しさや不安、いろいろな感情が込み上げました。でも、その気持ちもわかるのです。自分の子どもを預ける担任が2年目の若手だと知れば、不安になるのは当然のことです。そして、妙に「そらそう思うよな」と納得する自分もおり、ただ「精一杯やります」とだけ伝えました。

それから1年間、必死でした。子どもたちとの信頼関係を一つずつ築いていくことだけを考えて、毎日を過ごしました。

そして年度末。最後の個人懇談で、あのお母さんがこう言ってくださったのです。「先生、謝らないといけないことがあります。あのとき、あんなことを言ってしまって、本当にすみませんでした。子どもが毎日、楽しそうに学校に行く姿を見ていて……。先生のおかげです」。

こう言われるまで、4月の懇談会での一件を忘れていました。それくらい日々、いろんなことがあったからです。ありがたい言葉でした。教員をやっていてよかったと思える瞬間でした。

「担任ガチャ」外れ? 噂が子どもの耳に入ったら……

ただ、ここで「いい思い出です」と終わらせてはいけないのです。この話から伝えたいことは、もっと別のところにあります。

最近、「担任ガチャ」という言葉を耳にするようになりました。担任の先生がどの先生になるかは運次第、まるでガチャのようだ、という意味です。保護者同士の会話やSNSでもよく使われています。

新年度が近づくと、保護者はLINEなどを使い、新しい先生の情報を集めることでしょう。転勤したにもかかわらず、前の学校の保護者とたまたまつながりがあるらしく、情報を聞いていた方にも出会ったことがあります。

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【先生への不信感は「教室での信頼関係」にマイナス】

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