「限界マンション」になるのを防げるか…4月から変わる管理組合の運営

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そこで、区分所有者が国内に住所を有しない場合、その専有部分と共用部分の管理に関する事務を代行させる制度が創設されました。国内に住所を有する者に「国内管理人」になってもらい、議決権の行使や区分所有者債務の弁済(管理費や修繕積立金の支払いなど)を行ってもらいます。

選任に当たり、国内管理人の資格要件は付されていません。裁判所の認定も許可も不要です。独自の裁量で取り決められる任意の制度です。しかも、この制度は法人・個人を問いません。たとえば、日本法人の不動産会社が国内管理人になることも可能です。語学堪能なスタッフが常駐するマンション管理サービス会社の登場も考えられます。新しい管理ビジネスの萌芽を予感させます。

区分所有関係を「解消する」という選択肢

ここからは、マンション管理のハード面に関する改正点に移ります。管理組合が「マンションの再生」=「出口戦略」を描きやすくするための改正が行われました。

これまで、分譲マンション終末期問題の答え(受け皿)として、管理組合に用意されていた(選択できた)方法は主に2つしかありませんでした。(1)大規模修繕工事の繰り返しによる延命、(2)5分の4以上の多数決による建て替え――実質的にこのどちらか(二者択一)でした。

しかし、十分な耐震性を有さず、バリアフリー対応も未整備な高経年マンションを、いくら大規模修繕したところで、安心・安全・快適なマンション生活が約束されるとは思えません。同様に、建て替えに関しても、そのハードルは高く、これまでの実績は累計でわずか323件(2025年3月末)です。セカンドオピニオンの立場で大規模修繕工事のコンサルティングを行う株式会社シーアイピー(東京都中央区)の須藤桂一社長は、「区分所有法の改正だけでは限界がある。建て替えを推進するには、容積率の大幅な緩和が不可避」と指摘します。

こんな例もありました。どうにか5分の4以上の賛成が得られても、ビジネスとして採算が合わないという理由で、建て替えに参画するデベロッパーが見つからないのです。結局のところ、あらゆる好条件を満たした分譲マンションだけに再建が許されているわけです。

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