「限界マンション」になるのを防げるか…4月から変わる管理組合の運営
想像してみてください。所有者の所在が不明ということは、当然ながら管理費や修繕積立金は滞納されているケースは多いでしょう。長期にわたって誰も住んでいないとなれば、室内の汚れや設備の不具合も気になります。
そこで、選任された管理人が専有部分に立ち入り、室内を適切に管理します。さらに、必要があると判断した場合には裁判所の許可を得て、当該専有部分を売却することも可能になりました。本人の同意は必要ありません。そして、売却代金は所在不明区分所有者のために供託されます。こうして蓄積された管理組合債権(滞納された管理費など)の回収を可能にします。
当人には申し訳ないですが、"お荷物"とみなされる所在不明区分所有者に、管理組合運営から退場してもらおうというのが創設の狙いです。総会主義を揺るがしかねない危険因子を除去することで、管理組合運営の安定化に結び付けたい考えです。
「他人任せ」の海外居住者への対応も
前段では「所在不明の区分所有者」を対象に、裁判所の決定に基づき、財産管理人が代理して専有部分の管理を行える制度を紹介しました。引き続き、今度は海外居住者を念頭に置いた新しい管理制度の説明です。国内に住所等を有しない区分所有者を対象に、本人に代わってマンション管理を行う「国内管理人」制度が誕生しました。
国交省が昨年11月に公表した「国外に住所がある者による新築マンション取得の状況」に関する調査によると、国外からの取得割合(2025年1月〜6月)は、東京都が3.0%、大阪府が2.6%、京都府が2.3%でした。また、三菱UFJ信託銀行が行ったデベロッパー調査によると、千代田区・港区・渋谷区のマンションで外国人取得者が占める割合は、平均19%(2025年上期)でした。
円安の進行によって、海外投資家からすると、日本の不動産は相対的に割安に感じられているようです。その結果、海外マネーが流入し、都市部を中心としたマンション価格の高騰を招いているとの指摘もあります。これにより懸念されているのが、マンション管理に対する意識の希薄化です。
海外に住んでいるため「総会に出席できない」「専有部分の管理がおろそかになりがち」といった、管理組合運営への無関心が心配されています。完全な「他人任せ」は、マンション管理の空洞化を助長しかねません。



















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