BBQごみ、注射針、尿入りペットボトル…高速道路PAからごみ箱が消えるワケ 清掃員明かす"ごみ持ち込み"の絶句する実態

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PAの清掃をしている方からお話を伺えた。

「年末年始は家庭ごみの収集がないため、PAに捨てに来る人がいた。特に生ごみを家に置いておけないのでPAに持ってきたと推測する。PAにごみ箱がないので建物の横のほうに置いていった。

中にはトイレの小便器の上のガラス戸の棚にごみを置いて帰る人もいた。また、トイレのサニタリーボックスに注射針や点滴が入っていたこともあった。幸い怪我はしなかった」

その他にも、トラックの駐車スペース付近からはしばしば尿が入ったペットボトルが出てくるとのことであった。おそらくはどのPAでも同じように捨てられているのだろう。

ごみ箱あったほうがいい? ないほうがいい?

作業員の方に「ごみ箱があるほうが良いか、ないほうが良いか」と尋ねてみた。「あるといろんなものを捨てていく人がいるので、ないほうが良い」との意見であった。

次は五斗蒔PAを訪問した。ごみ箱が撤去されたところに掲示物が出されていた。分別回収ボックスの中を覗くとやはりごみが入れられていた。

また、本線側の植え込みにもごみらしきものが見えた。ごみ箱がないからとポイ捨てされたのだろうか。

本線側の植え込みにごみらしきものが見えた
本線側の植え込みにごみらしきものが見えた(筆者撮影)
ポイ捨てごみ
ポイ捨てごみであった(筆者撮影)

次は美濃加茂SAを訪問した。有人のSAであるのでごみ箱が設置されていた。これまでごみ箱がないPAばかりだったので、「車内で生じたごみは高速道路では捨てられない」という感覚になっていた。しかし、美濃加茂SAに設置されたごみ箱を見て、「高速道路のSAではごみを捨てられる」という当たり前のことを思い出した。

他に訪問したPAやSAの状況は文量の関係で割愛する。

NEXCO中日本だけでなく、NEXCO西日本でも同様にごみ箱の撤去が進んでいるようだ。このような状況に鑑みると、PAからのごみ箱撤去は全国的な流れに沿った対応であったと言えよう。

人口減少に伴い公共サービスの担い手が不足していく状況において多数の人々が安心・安全な暮らしを実現していくには、これまで享受してきた水準でサービス提供を求めるのは難しい。残念ながらこの状況に適応していくしかなく、私たちには行動変容が求められるだろう。

藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部教授

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ふじい せいいちろう / Seiichiro Fujii

1970年生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(政策科学)。

同志社大学総合政策科学研究科嘱託講師、大東文化大学法学部准教授などを経て現職。専門は地方自治、行政学、行政苦情救済。

著書に『ごみ収集という仕事――清掃車に乗って考えた地方自治』(コモンズ)『ごみ収集とまちづくり――清掃の現場から考える地方自治』 (朝日選書)『ごみ収集の知られざる世界』(ちくま新書)がある。

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