「いつまでもスマホをやめない子」に親が"絶対言ってはいけない"言葉
この時期の脳のアンバランスな状態を理解するうえで、ADHDの専門家であるエドワード・ハロウェル博士が用いた「フェラーリのエンジンに、自転車のブレーキ」という比喩が非常に参考になります。
本来、これはADHD特有の脳機能を説明する言葉ですが、発達神経科学の知見により、思春期に差し掛かるすべての子どもの脳内でも、これに近い状態が一時的に発生することが分かっています。
小学5、6年生の脳内は、「フェラーリ級に高性能化したエンジン(急激に高まる情動・衝動)」を、「まだ自転車並みのブレーキ(未発達な前頭前野の制御機能)」で操作しなければならないという、非常に不安定な状態への入り口と考えてください。
車体が加速する力に対して、止まる力が物理的に追いつかなくなってきます。この状態で、親が「もう高学年なんだから、自分で衝動をコントロールしなさい」と突き放すのは、ブレーキの性能が足りない車に乗っているドライバーに「安全運転しろ」と注意するようなものです。
子どもの脳にはまだ十分なブレーキが備わっていないため、親御さんには「外部補助ブレーキ」としてサポートする役目があることを、理解していただく必要があります。
「ダメ!」「やりなさい!」はNG
ただし、ここで注意点があります。「外部補助ブレーキ」といっても、低学年の頃のように「ダメ!」「やりなさい!」「没収するわよ!」と、命令や強制によって親が直接ブレーキを踏むことではありません。親が代わりにブレーキを踏み続けてしまうと、子ども自身のブレーキ回路(前頭前野)を使う機会が失われ、その機能が育たなくなってしまうからです。
必要なのは、教習所の教官のように助手席に座り、問いかけや環境設定を通じて、子どもが「自分でブレーキを踏む練習」をサポートする「コーチング」的な関わりへの転換です。この時期は、こうした「発達的ミスマッチ」による子育ての悩みが激増しますが、ほとんどの場合、時が来れば解消していきます。
つまり、多くの親御さんが頭を抱える、この「発達的ミスマッチ」によって発生する問題は、子どもの将来にとって本当の問題ではないのです。
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