一蓮托生!?50代女子が"初雪山登山"でまさかの緊急事態――「景色が違う」「道間違った」におののく2人が生還するまで

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気がつくと、段々と山頂から人が減っていっています。帰りのロープウェイの時刻が気になります。確か、どこかに16時と書いてあったような……だとすると、あと1時間ありません。

「私たちも下山しましょうか」

「そうですね、ここからロープウェイの駅までそれほどかかりませんが、少し余裕を持って降りますか」

Sさん主導で、私たち2人は下山を始めました。

おかしい。景色が違う

下りは上りよりはるかに早いペースで進みます。脚や膝に負荷はかかるけど、上りより息は上がらず、長い時間歩けそうです。事実、15分ほど経つと、かなり下まで降りたような感じがしました。

「あれ? どうしたの?」

私より少し先を歩いていたSさんが、立ち止まっています。

「……おかしい。景色が違う」

え? 慌てて私も周囲を見回しました。山の雪景色で、登ってきた道と何が違うのか私にはよくわかりません。でも、結構下まで降りてきたはずなのに、麓が見えません。

それに上りのとき、最初左手に見えていたなだらかな傾斜が、そろそろ右手に見えてきてもいい頃なのに、全然現れないままです。そして何より、周囲に人が誰もいません……。

Sさんはスマホを取り出して、私たちがいる位置を確かめました。それを横で呆然と眺めていたら、「やっぱり間違ってる」とSさんがスマホの画面から顔を上げました。

「逆側に降りちゃってる。分岐していた道、間違ったほうを降りてきちゃったんだ」

え!!!

私は動転しました。

「ど、どうすれば……?」

「上に引き返して、分岐しているところに戻るしかない。ごめんなさい、僕のミスです」

すでにかなり下まで降りてきています。

「ロープウェイ、間に合いますかね……?」

「どうだろう……。難しいかも……」

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