仕事はできるのに「発言力」がない人の致命的弱点 職場での"権力"を決める「4つの個人的要因」とは?
一方、強制パワーは相手を即時的に従わせるためには効果があります。しかし、その後に反発やモチベーションの低下が起き、離職につながることもあります。
強制パワーは「罰を避けるために行動する」という動機で人を動かすものです。そのため、相手の価値観や考え方といった、内面の部分を変えるものではありません。
強制パワーで部下を従わせても、持続性には限界があります。強制パワーによりリーダーの指示に従っている部下は、内面から納得したわけではないので、リーダーの目が届かない場面では指示に従わなくなりやすいのです。
さらに、内面の変化による行動変容ではないので、強制パワーで即時的に変化した行動は持続性がなく、すぐに元に戻ってしまう傾向があります。
政治的パワーを決める個人的要因
では次に、パワーを得るための社会心理学的アプローチを見ていきましょう。キャメロン・アンダーソンとセバスチャン・ブリオンは、先行研究をもとに、パワーの獲得に影響を与える4つの要因を整理しました。それは「有能さ」「構造的ポジション」「人口統計的・身体的特徴」「パーソナリティ特性」です(Anderson & Brion, 2014)。
有能さ: 同僚や上司から「この人は優秀だ」「いざというときには頼れる」と思われている人は、おのずと発言力を持つようになります。特に、業務遂行能力と対人スキルの両方が備わっている人は、チームの中で強い影響力を持つようになります。
構造的ポジション: 社内で情報にアクセスしやすいポジション、または情報をコントロールしやすいポジションにいる人は強いパワーを持ちます。情報が流れる人的ネットワークの中心にいる人は、有用な情報が集まりやすくなり、それに伴ってパワーも強くなりがちです。
さらに、部署間で情報が行き来していないところを橋渡しできる人も、パワーを持つことがあります。情報を橋渡しすることで恩を売ることもできますし、逆にあえて情報を流さないことで影響力を持つこともあるのです。
人口統計的・身体的特徴: 性別や年齢、容姿などもパワーに影響を与えます。実際の能力差とは別に、これらの特徴はステレオタイプや経験則を通じた評価によってパワーにつながることがあります。
たとえば「女性はコミュニケーション能力が高い」「身長の高い人はリーダーシップがあるように映る」といったイメージに基づく評価です。こうした見方は偏見であることも多く、差別的な評価を生むおそれもあります。しかし、人はこのような経験則やバイアスによって他人を判断する傾向があります。その結果、誰がパワーを持つかにも影響してしまうのです(Judge & Cable, 2004)。



















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