国内でわずか2社に減少も、消えそうで消えない「モロッコヨーグル」。"薄利多売"でも3代・65年間生き残れた理由

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに、ネット通販などで箱売りをしている業者も登場しており、ネットで購入した客が、箱の中にあるあたりを駄菓子屋に持っていき、商品と交換するという事態も発生。「最終的にはお客さんの良心に委ねるしかない」と池田さんは吐露するが、根本的な解決策はまだみつかっていない。

こうした背景から、池田さんの父親である2代目の時代に、クジをつけない「ヨーグルスーパー80」という商品も生まれた。

モロッコヨーグルスーパー80
「あたりなし」の『モロッコヨーグルスーパー80』(写真:筆者撮影)

ちなみに、取材時点では製造機械の不具合で「あたり」「はずれ」の数を把握しにくくなったことから、この「あたりなしのバージョン」をメインで製造・出荷している状況だった。

「あたり」「はずれ」という駄菓子が持つワクワク感と、駄菓子屋業界の課題。サンヨー製菓はその両立の難しさに直面しながらも、販売形態の変化に合わせて時代に寄り添いながら商品を届けている。

1000万個売れても綱渡りの経営が続く

サンヨー製菓の経営は決して楽ではない。池田さんは、父から「売り上げ1億円に乗ると楽になるんだが……」と言われてきたそうだ。引き継いだ後、長らくその壁は厚かったが、2004年に1億円を突破した。

きっかけは、深夜のバラエティー番組で紹介されたことだった。番組を見た視聴者が買い求め、問屋からの注文数が一気に増えたのだ。

「おかげで、寝不足になりながら機械を動かし続けました」と池田さんは振り返る。その年の売り上げは1億4000万円まで増加。その後は落ち着き、現在の売り上げは1億円前後で推移している。

ただし、それはあくまで1個1円の利益をコツコツ積み上げた結果に過ぎない。製造ラインを1日でも止めれば、その均衡はたちまち崩れるのだ。

機械の調子を確認する池田さん
機械の調子を確認する池田さん(写真:筆者撮影)
次ページ「ちょっと足らんぐらいがちょうどいい」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事