その後、主力商品となったのがウイスキーボンボンである。しかし、この菓子は、砂糖と水とアルコールを煮て型に流し込み、表面にできた砂糖の膜を専用トングで持ち上げてチョコレートに浸すという、非常に手間のかかる製法であった。
しかも、膜が薄く割れやすいためロスが発生する。それに加えて夏場は、気温の影響でチョコレートが溶け、流通が困難になるという課題があった。そこで初代社長は、夏場に製造・販売できる製品を模索する。その中で生まれたのが、モロッコヨーグルだ。
「祖父が『夏場の食欲が落ちやすい時に食べやすいものってなんやろ』と思ったことがきっかけでした。最初は、モナカの皮にヨーグルトっぽいクリームを挟む構想があったみたいです。でも、モナカの皮が高すぎて、牛乳と一緒に配達されているヨーグルトを見て、今の形を思いついたそうです」
商品名の「モロッコ」は、ヨーグルトの起源を調べた際、地中海沿岸のモロッコでも飲まれているという説をもとに、語呂の良さから採用されたものだ。当初は夏場限定で製造されていたが人気が高まり、60年前からモロッコヨーグルの製造に一本化された。
「あたり」が生んだ思わぬトラブル
モロッコヨーグルの楽しみの一つといえば、フタの裏に書かれた「あたり」「はずれ」の文字である。「あたりが出ればもう1個もらえる」という駄菓子ならではのシステムだが、現代の小売環境において、このシステムが思わぬ課題を生んでいる。
本来、あたりが出た場合は、購入したお店で交換するのがルールだ。サンヨー製菓も箱内のあたり数を見越して、その分の数を足して(箱内に当たり分も含めて)出荷している。
しかし、他の店舗で買ったあたりクジを持ち込む客もおり、そうなると、持ち込まれた店の不利益になってしまうのだ。一部の駄菓子屋ではフタに自店のハンコを押して自衛したり、SNSで「他店で購入したあたりの交換はできません」と定期的に注意喚起したりと、対応に苦慮しているという。





















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