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「サルの群れ入れは難しい」 世界中から来園者殺到…人気の子ザル《パンチくん》飼育員が語る「"誤解されている"現実」

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市川市動植物園では、過去にもニホンザルの人工哺育からの群れ入れが行われた。何例かが成功しており、中でも象徴的だったのは、08年6月生まれの「オトメ」だ。彼女もぬいぐるみを抱えて大きくなった。

1歳を過ぎて群れに合流し、出産・育児を経て現在もサル山で暮らしている。

飼育員からミルクを飲ませてもらう「オトメ」(画像:市川市HP「令和4年度 広報いちかわ 8月6日号 特集」より)
人工哺育で大きくなった「オトメ」も、リラックマのぬいぐるみとともに育った(画像:市川市HP「令和4年度 広報いちかわ 8月6日号 特集」より)

オトメは成功例だが、人工哺育からの群れに戻すのは容易ではないようだ。市川市動植物園の安永崇課長はこう語る。

「園にいる豊富な経験を持つ飼育員の目から見ても、生後間もないパンチを『生かす』ことは技量的には十分可能ですが、『群れに戻す』のは非常に難しいことです。担当者たちはオトメなどの過去の事例等を参考に、獣医師やサルに関わる同僚たちと相談しながらパンチの群れ入れの計画を立てました」

飼育員が「やさしくしてくれるサル」を見極めた

パンチくんの人工哺育は、先述した通りサル山の中で行われた。ほかのサルにパンチくんを見せ、パンチくんも群れのサルが見える環境だったという。

「柵越しにほかのサルと触れ合い、その後、担当者にしがみつきながらサル山に入りました。担当者が地面に降ろして遊ばせたり少し離れてみたり、群れへの復帰の手順を少しずつ踏んでいった形です」

サル山の中に置かれたケージも群れに戻すステップで使われた(撮影:尾形文繁)

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【「この子ならやさしく接してくれる」】

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