「サルの群れ入れは難しい」 世界中から来園者殺到…人気の子ザル《パンチくん》飼育員が語る「"誤解されている"現実」

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多くの人の視線の先には、岩のくぼみにちょこんとおさまる“小さなおさるさん”がいた。パンチくんだ。

パンチくん
岩陰でじっと他のサルたちを見つめていたパンチくん(撮影:尾形文繁)

彼を有名にした、いつも一緒に連れて歩くオランウータンのぬいぐるみ(愛称「オランママ」)はそばに見当たらないが、ほかのサルの近くでのびのび過ごしていた。

「いちばん小さくて黒っぽい毛色のサルがパンチです」と特徴を教えてくれたのは、ニホンザルの飼育員さん。25年6月に担当となり、1カ月半ほどでパンチくんが誕生した。「ニホンザルを学びながら人工哺育をするのはけっこう怒涛でした」と振り返る。

パンチくんを「保育器に入れなかった」理由

ニホンザルは、一般的に秋から冬にかけて発情期を迎え、春に出産する。特に4〜6月頃の出産が多く、パンチくんは少し遅めの7月26日に生まれた。母親は初産で、猛暑の中で体力を消耗し、子育てができずにいた。

「パンチは生まれて間もない状態で、サル山の地面に横たわっていました。母親が迎えに来る可能性も考え、室内の日の当たらないところに移動させ、反応を見ることにしました」

パンチくん生後2カ月頃のパンチくんは人工哺育を受けながらも活発な動きを見せていた(写真:市川市動植物園提供)

パンチくんは元気で生命力も強かったが、抱き上げるサルは現れない。飼育担当者らは話し合い、人工哺育を始めることを決めた。

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