『国宝』効果で来場者倍増!《歌舞伎座》の現在地 歌舞伎の松竹だが、『国宝』の配給は東宝… 支配人に恩恵を聞いた

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――インバウンドの来場者数は増えていますか。

国のインバウンド誘致の動きに伴い、歌舞伎座にも来場者が年々増加しています。コロナ後はその数が倍増しました。歌舞伎座の外国人観光客の割合は、月によって増減がありますが、およそ5~6%で推移しています。春などのピーク期は10%に達する月もあります(2025年通年データに基づく)。

歌舞伎座
舞台からの客席(写真:松竹提供)

和装で訪れる観客も

――新規来場者が増えたことで、鑑賞マナーなどが問題になったことはありませんか。

まったくありません。やはり歌舞伎を観てみたいというポジティブな思考を持つ方は、他の観客への配慮といった部分も意識してご覧になっているのではないでしょうか。

歌舞伎座は、ただ芝居を観るだけではなく、お客様も演者と一緒に演目を作り上げる空間になります。よい芝居には拍手し、喜劇的なシーンでは声を上げて笑い、悲しい場面では一緒に泣く。そんなふうに、自然に舞台に集中して楽しんでいただいています。

『国宝』を観て歌舞伎座に来たお客様が、従来の歌舞伎ファンの方と観方が違うということはありません。

歌舞伎座
プロセニアムアーチ(写真:松竹提供)

――着物など和装で訪れる観客も多くいます。初心者は敷居が高く感じることもありそうです。

歌舞伎座は、明治に入った日本が西洋列強に負けない国になるために、フランスのオペラ座やイタリアのミラノ座のような国を代表する劇場を作らないといけない、という志が起こりです。だから、1889年の第1期の歌舞伎座は西洋風なんです。

そういうコンセプトがあったので、それまでの“誰もが気楽に訪れる芝居小屋”から脱却し、着飾って晴れの場を楽しむ社交の場という捉え方になりました。

ただ、鑑賞に格式張った様式はありません。ひいきの役者の幕だけを観て、客席を出入りする、砕けた鑑賞スタイルの方もいらっしゃいます。カジュアルな服装の方も多く、みなさまそれぞれのスタイルで自由に楽しまれています。

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