隈研吾事務所監修「佐野PA」はどう変わったか? 下り線に続き上り線が2年ごしのリニューアル

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佐野市だけでなく栃木県内のざまざまな名産品や、「鬼怒川金谷ホテル」が鬼怒川温泉で経営する菓子店の銘品がここにも並べられるなど、こちらも足を止めてしまう品揃えである。

地元の農家が収穫した農産品を使った加工品も販売(筆者撮影)

また、形が悪いなどの理由で出荷できない野菜を使って、地域の農家と共同で農産物の加工品を開発・販売しているのも特徴だ。地域で連携して付加価値をつけて売ることで、フードロスの削減や農家のやりがいにもつながっている。

以前、この連載でも特集したハイウェイスタンプについても今回、上り・下り側ともデザインが一新された。

ハイウェイスタンプの押印台紙(筆者押印)

佐野市の高校生プロジェクトと共同作成されたもので、この連載でも紹介した圏央道坂東PAのスタンプ(地元小学生にデザインを募集)とはまた異なった形の地域との連携がうかがえる。

これからのSA/PAに必要なこと

中東情勢の変化によるガソリンの高騰というマイナス要素があるとはいえ、春休み、桜の季節、そして大型連休と、高速道路が賑わいを見せる季節を迎え、新しいサービスエリアには多くの利用者が訪れることだろう。

運営する会社、地元の人々、そして利用者の三者が、それぞれ喜べるような施設に育っていくことが期待される。

2022年にリニューアルされた「佐野SA(下り)」の施設(筆者撮影)

一方で懸念もないわけではない。こうしたSA/PAの進化は、どうしても利用者が多い地域が先行してしまう。

そのため、東京近郊の施設はどんどん充実していくが、NEXCO東日本のエリアで言えば、東北北部や北海道のように、施設が老朽化したまま、あるいは魅力的な店舗があまり見られない、いわば取り残されているように見えるSA/PAも一部にある。

また、高速道路上の施設の充実よりも、インターチェンジに近い既存の道の駅の利用を促すような地域も少なくない。

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首都圏などの施設では、その充実ぶりからメディアが取材に訪れる機会も多く、より取り上げられやすいことも背景にあると考えられる。

しかし、逆の視点で見れば、より魅力的な、そして独創的な休憩施設を首都圏などから遠く離れた地域につくることによって、集客や高速道路の利用につながる可能性もあるだろう。

今回のような話題性のある休憩施設のリニューアルや新設のニュースが、首都圏や近畿圏から離れたエリアからも聞こえてきてほしいと願う。

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佐滝 剛弘 城西国際大学教授

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さたき よしひろ / Yoshihiro Sataki

1960年愛知県生まれ。東京大学教養学部教養学科(人文地理)卒業。NHK勤務を経て、高崎経済大学特任教授、京都光華女子大学教授を歴任し、現職。『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)、『郵便局を訪ねて1万局』(光文社新書)、『日本のシルクロード――富岡製糸場と絹産業遺産群』(中公新書ラクレ)など。2019年7月に『観光公害』(祥伝社新書)を上梓。

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