「東京に行きたがるセツ、渋るハーン」朝ドラ「ばけばけ」地獄の東京にハーンが長く住み続けた背景
東京に行きたがるセツ、渋るハーン
「あなたは今の東京を、歌川広重の描いた江戸絵のようなところだと誤解している」
東京への憧れを持つ妻の小泉セツに、ラフカディオ・ハーンはそんなふうに釘を刺したという。セツは当時をこう振り返っている。「ヘルン」とはハーンのことだ。
「ヘルンはもともと東京は好みませんで、地獄のようなところだと申していました」
そこまで東京を嫌っていたハーンだったが、神戸を離れると、東京へと移り住んでいる。それどころか、ハーンにとって東京が日本で最も長く住む場所となるのだから、人生とはわからないものだ。滞在期間でみると、松江は1年、熊本は3年、神戸は2年だったが、東京には実に8年も住み、人生の最期も東京で迎えることになる。
一体、何があったのか。神戸にいたハーンに「ぜひわが校で教鞭をとってほしい」とアプローチしたのは、東京帝国大学文科大学長の外山正一である。英文学教授のウッド博士の後任として、ぜひハーンを招聘したいと考えたようだ。
外山は仲介者のチェンバレンに、ハーンへの思いをこんなふうに語っている。
「推薦状などはあてにならぬものだから、本国から未知の人間を迎えるのは不安だ。ハーンこそ、その著作以外に何の推薦状も要しない人物だと思う」





















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