「快活CLUB」「FiT24」「アニヴェルセル」も…AOKIが「スーツの会社」なのに異業態を次々と成功させられた"3つの要因"
現在は、安定した収益事業へと移行する「成熟期」に差し掛かっている。だが、この急成長の背景には、情勢の変化や逆張りの投資だけでは測れない、もう一つの要因がある。
AOKIのDNAが結実した、快活CLUBを支える「三本の矢」
なぜ、複合カフェ後発のAOKIが、これほど席巻できたのか。そこには、ファッション事業で培ってきた三つの強みがある。いわば「三本の矢」を、一つひとつ解説していこう。
快活CLUBの急伸を支えたのは、全国に店舗を展開するファッション事業で培った「チェーンストア運営力」だ。
同社代表取締役社長の田村春生(はるお)氏(以下、田村社長)は「店舗数を増やして売上を作り、一定の粗利を確保する。店舗数が増えればコストダウンも見込める。これはチェーンストアの基本です」と語る。
その背景には、独自の出店基準と、既存の店舗資産を有効活用する「業態転換」のノウハウがある。

独自の出店基準とは、グループ全体で徹底されている「営業利益率10%」という数字だ。単に規模を追うのではなく、この基準をクリアできる見込みが立つ立地や物件に、リソースを集中させる。
また、AOKI-HDは長年、郊外のロードサイド店舗を自社資産として確保してきた。時代の変化とともにメンズスーツを中心とした売場では販売効率が下がってきた店舗を、現状維持あるいはそのまま解体するのではなく、培った「土地を見る目」を生かして快活CLUBへと転換させている。
この「資産の再利用」は、他社が真似できないスピード感と、投資効率の高さの源泉となっている。さらに、出店が進むほどに什器や備品の仕入れコストを下げていく組織的な交渉力が、アクセル全開の多店舗展開を支えた。
また、週に一度の頻度で行われる「競合調査」も同社の文化だ。他社の成功事例をなるべく速く自社へと取り入れる。この貪欲さが、女性専用エリアや鍵付完全個室といった顧客のニーズをいち早く形にし、現場へ導入していくスピード感を生んでいる。





















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