「快活CLUB」「FiT24」「アニヴェルセル」も…AOKIが「スーツの会社」なのに異業態を次々と成功させられた"3つの要因"

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この急激な出店を支えたのは、グループの不動産部門が持つ緻密な立地データである。AOKIの不採算店舗や売り場を再編して生まれる遊休スペースの活用に加え、グループ内で共有される情報が、勝ち筋を裏付けていた。

赤字から一転、1年で驚異のV字回復

勢いは、店舗数だけではない。収益の「伸び率」を見れば加速感が目に見てとれる。

ファッション事業が、2021年3月期から2023年3月期にかけて売上高を約1.1倍(853億円→945億円)と堅固に伸ばすなかで、快活CLUBを中心とするエンターテイメント事業は約1.5倍(484億円→708億円)というスピードで駆け上がった。

AOKIホールディングス 2023年3月期決算説明会資料
本表は、2014/3期〜2023/3期、10年間のエンターテイメント事業の売上高と営業利益の推移を示している。コロナ禍を除けば右肩上がりで順調に成長、2021年3期に約50億の赤字を記録した2年後はコロナ禍前の水準に回復している(※出典:AOKI-HD「2023年3月期 決算説明会資料」p.30(一部加工して引用))

特筆すべきは「営業利益」の推移だ。2021年3月期、エンタメ事業は約50億の赤字を計上している。コロナ禍の真っ只中、通常であれば守りに入る局面である。しかし、AOKI-HDは真逆の選択をとる。

実はこの50億の赤字は、一気にアクセルを踏み込んだ「攻め」の結果だった。

同社はコロナ禍の「おひとりさま」需要やテレワークなど働き方の多様化といった都市部のニーズを見込み、鍵付完全個室需要が高まると予測。一気に出店数を増やし(快活CLUB50店舗、FiT24他18店舗)、大規模な設備投資を決行したのだ。

結果、翌2022年度3月期には黒字へ浮上。さらに2023年度3月期には33億円へと、驚異の急成長を見せた。

24時間年中無休のセルフフィットネスジム『FiT24』。AOKIや快活CLUBと併設している店舗も多くあり、FiT24会員は快活CLUBのカフェやシャワーを特典利用できるなど、グループの強みを活かした独自の利便性を追求している(写真:AOKI-HD)
『FiT24』の内部の様子(写真:AOKI-HD)
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