西武鉄道、45年超のベテランが伝える「事故の教訓」 40年前「異例の大雪の日」に運転した安全の語り部

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安全共育室で「語り部」を務めるのが同社鉄道本部安全推進部の村上正行さん。約3600人いる西武鉄道のすべての役員・社員を対象にした学習プログラムを担当してきた。「安全共育室の名称には共に手を携えて、安全に対する意識を育んでいこうという意味合いが込められている」という。

村上さんは「本社勤務などで直接鉄道の輸送に従事していなくても、乗り合わせた電車に何かあったときにはお客さまを守る行動を起こしてもらいたい。鉄道の仕事への誇りを再認識してもらい、明日からのモチベーションアップにつなげてほしい」と学習プログラムの目的を説明する。

西武鉄道 安全共育室 東村山駅脱線事故の分岐器とマクラギ
安全共育室の展示エリアには2011年12月24日に東村山駅構内で起きた脱線事故の分岐器の一部とマクラギが残されている(記者撮影)

運転指令の経験生かす「語り部」

村上さんは1980年4月の入社。江戸川区出身で、小さい頃からの夢だった新幹線の運転士になりたくて岩倉高校に通ったが、当時は国鉄の採用が厳しく「『としまえん』に行くときに乗った程度」だった西武鉄道を志望することにしたという。

最初は上石神井駅に配属された。登用試験を受けて車掌、運転士になり、上石神井乗務所で新宿線の電車の運転を担当した。その後は池袋駅管区の助役を1年、運転指令を11年ほど経験。石神井公園駅・池袋駅・新宿駅の副管区長や2度目の運転指令、多摩川線管理所長を務め、定年退職時は本川越駅管区長だった。

再雇用で「お客さまサービス課」の事務をやっていたところ、新設する安全共育室の講師になることを打診された。人を教える仕事はやったことがなかったが、「鉄道の業務を大局的に見ることができる運転指令には計約20年いたので、西武鉄道で起きた大きな事故について背景や経過をよく知っている」(村上さん)という知見が買われた。

運転指令在職時には、大雨による吾野駅構内の土砂崩壊(99年)、東村山駅構内の列車脱線事故(2011年)、台風の影響による多摩湖線の法面崩壊(16年)などを経験した。

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