アメリカのエネルギー自立という悲劇 "最強の産油国"の独善が、日本の生命線「ホルムズ海峡」を窒息させる
イランは、機雷、高速艇、対艦ミサイルなどを用いて海峡を封鎖する能力を誇示し続けており、これが西側諸国にとって最大の脅威となっています。現代の原油価格が、中東の地政学リスクと常に連動しているのはこのためです。
・ イランが支援するイエメンの反政府勢力が、サウジアラビアの石油施設をドローンで攻撃した(19年)
・ ホルムズ海峡付近で、謎の勢力が、日本のタンカーを含む複数の石油タンカーを攻撃した(19年)
・ アメリカが、イランの英雄であるソレイマニ司令官をイラクで暗殺した(20年)
「ホルムズ海峡封鎖」のリスクが原油価格を動かす
こうした事件が報じられるたびに、市場は「ホルムズ海峡封鎖」のリスクを瞬時に織り込み、原油の先物価格は急騰します。
シェール革命後、中東におけるアメリカの存在感は低下傾向にあります。しかし、この「世界最大の火薬庫」の安定は、今や当のアメリカ以上に、中国や日本にとっての死活問題となりつつあるのです。
自国はエネルギーの自立を果たして痛手を負いにくくなったアメリカが、イスラエルとともに中東での軍事的な圧力を強める。その結果、イランが「切り札」を切り、ホルムズ海峡が実質封鎖の危機に陥れば、その最大の被害者はアメリカではなく、中東依存から抜け出せない日本や欧州、そして中国などの輸入国となります。
アメリカがいくらシェールオイルを増産しようとも、イランのほぼ一存、あるいは中東での武力衝突という一つのトリガーで、アジアや欧州の経済が根底から揺さぶられ、世界の原油価格が乱高下する。
これこそが、エネルギー自立を果たした超大国と、急所を握る資源国が織りなす、現代の石油市場と地政学の「極めて歪な力学」なのです。
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