令和に残る財閥の"地雷" 『三菱・三井・住友』 三大財閥の「社風と接待」見えない掟

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また、国策会社として誕生したため「日本」を冠した日本郵船や、戦時中の統合の経緯から三菱を名乗らない東京海上ホールディングス、キリンホールディングスなども三菱グループの中核企業だ。三井グループのサッポロホールディングスや、住友系の海運会社と合併した商船三井など、一見してわからない企業は山ほどある。

法的な意味での「財閥」は、戦後のGHQによる財閥解体で消滅し、資本的なつながりはなくなったはずだ。それなのに、なぜこれほどまで長く各グループの典型的な“社風”が生きながらえているのか。

それは、明治維新より前から創業した各グループの強烈な“ベンチャー精神”と、それが財閥としてのし上がっていく過程で組織化のバックボーンとして根付いた「社是」や「家訓」を中心とした経営方針があるからだ。

岩崎家の絶対王政で成長し「三綱領」を掲げた三菱、個人の才覚と番頭を中心とした「分権型ガバナンス」の三井、「浮利に走らず」という家訓で結ばれた住友。これらの理念が、財閥解体から別資本によるグループの再結集(金曜会、二木会、白水会などの社長会)、さらにバブル崩壊を経ても激減することがなかった各社の盤石な経営を根底で支えているのである。

数字から読み解く3大グループの現在地

教養としての 三菱・三井・住友
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その力は「数字」で見るとより鮮明になる。現在でも東証プライム市場の時価総額ランキングを見れば、金融、総合商社、不動産などを中心に3大グループの主要企業が上位を独占しており、その合計はプライム市場全体の約2割を占めている。

また、主要企業の「大学別就職ランキング」を見ると、東京大学や早稲田・慶應といった上位校の学生が集中しているだけでなく、全国各地の国公立大学や有力私立大学からも幅広く優秀な人材を獲得していることがわかる。こうして集まった多様な人材が、それぞれの歴史ある企業文化と融合し、それがまた形を変えながら続く3グループそれぞれの強固な社風を形作っているのではないだろうか。

日本のビジネス社会は、表面的な社名だけでは読み解けない「隠れた線」で無数に結ばれている。「日本経済200年の縮図」ともいえる3大財閥グループの歴史と構造を知ることは、単なる雑学にとどまらない。社名の背後に潜む「見えない文脈」を読み解く力は、ビジネスの現場で今も生きている。

山川 清弘 東洋経済 記者

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て「会社四季報オンライン」編集部編集委員。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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