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「暴政株式会社」が破壊するアメリカの自由と民主主義 資産なき人びとの「絶望死」と「それでも」トランプが支持される深層

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  • 会田 弘継 ジャーナリスト・思想史家
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「ポストリベラル」がトランプ政権を通じてどのようなアメリカの改革ないし「体制転換」を狙っているかを知るには、2019年3月にアマーリをはじめパトリック・デニーン(『リベラリズムはなぜ失敗したのか』著者)ら、代表的論客15人が署名して宗教思想誌『ファースト・シングス』に発表した声明「無効なるコンセンサスに抗して」に当たるのが簡便である。

ここで「無効なるコンセンサス」と呼ばれて批判されているのは、戦後アメリカ保守政治の総決算とされたレーガン政権を生みだした思想を指す。

ただ、この声明は単にこれまでの保守政治とその基礎になった思想だけでなく、アメリカ建国以来の思想である「個人の自律」(個人主義の中心概念)を核心に置く古典的な自由主義(リベラリズム)を批判している。

「ポストリベラル(リベラル後)」と呼ばれる所以だ。

声明は、個人の自由を重視する結果として生まれた「専制」を批判する。個人の富を追求するあまりに生まれた「魂のない社会」への反対を表明する。安定した家族や共同体の結束を取り戻すよう訴える。労働者を軸とする普通の人びとよりも、投資家や企業主を重視してきた政治を批判する。

金持ち中心で「金融化」したアメリカを否定するアマーリの思想の核が分かると思う。

トランプ政権後の方向性

いま、トランプ政権の背後で動いている思想は、今日の行き過ぎた自由主義は逆に人びとの自由と民主主義まで破壊しているから、アメリカには大改革=体制転換が必要だと訴えるものだ。

「絶望死」を生むような状況の中から生み出されたトランプ政権の後に、どのような21世紀のアメリカが形成されることになるのか。本書の中にその方向性を考えるカギが隠されている。

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