お金と上手に付き合うことができた西川さん。ただ、会社の寮に入ってひとり暮らしを始めてからは10万円の返済は難しくなり、第一種と第二種の返済額をそれぞれ月1万円ずつに変更。それ以降、金銭的にずっと厳しい状況が続いた。
「ひとり暮らしを始めてからは、貯金ができないので“入っては消え、入っては消え”という状態でした。寮に入って通勤時間が減り自由な時間は増えた一方、私は会社の業績悪化によりパタンナーから他部署へ異動になります。そのときはすぐ辞めようと思いました。しかし、満足に貯金がなく、生活費の蓄えもなくて身動きが取れません。そこから本気で貯金を始めました」
異動先では出張や職務手当がつき、昇給とは別に月3万〜4万円ほど給与が増えた時期もあり、その分を貯金に回した。
それでも100万円も貯まらない。寮暮らしだったため、会社を辞めると即退去。引っ越し代がかかる。実家に戻るにしても、貯金がなければしばらく無職で過ごすこともできない。失業保険も自己都合だと3カ月も出ない……。
そのとき、西川さんは「お金がないといざという時に動けない」ということを痛感したのだった。
「今の仕事を続けたら自律神経失調症になる」
入社から3年後、西川さんは会社を辞めた。
「他部署へ異動になってから睡眠導入剤や精神安定剤を使いながら1年間働いていたのですが、限界を感じて退職しました。3年間、奨学金を借りて専門学校に通って習得したパタンナーの技能を生かす仕事だったはずが、会社の都合で専門職採用だったにもかかわらず他部署に回されたことで、やる気がなくなったんです。
お金の心配をするほどの心の余裕がなかった。『貯金をある程度貯めたら辞めよう』とは思っていましたが、それ以上に仕事が忙しすぎて、辞めたいと思っても転職活動をする時間や心の余裕がなかったんです。『この先どうなるんだろう?』という不安は欠けていましたね。『人生設計を全部作り直さなくてはならない』という精神的な負担が大きく、毎日、ストレスを感じていました」
37歳になった今では、奨学金で借りた約400万円というのは返せなくはない金額だと理解できる。ただ、20代だった当時はそう思える金額ではなかった。
「当時、通っていた整体の先生は神経のどこが傷んでいるかわかる人でした。体を触っただけで、私の自律神経が異常なくらい乱れていることがわかったそうです。確かに、ちょっと手を触れただけで、電気の針で刺されたように痛かったんですよ。その時点で、自律神経がおかしくなっていたんです。先生には『このまま今の仕事を続けたら自律神経失調症になるからね』と断言されたんです」





















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