「あのラーメンはどこで食べられるんですか?」
「ぜひ復活してほしいんです」
営業的には成功しなかった店でも、誰かの心にはしっかりと残っている。そんな声を聞くと、「やっていたことは間違っていなかった」と嬉しくなるという。
また、人気メニューであっても、提供数やオペレーションの都合でやむをえず終了することもある。そのときに客から言われる言葉も印象的だ。
「なんであのラーメンやめたんですか?」
「あれがないならもう来ないよ」
一見すると厳しい言葉だが、前島さんにとってはむしろ嬉しいお叱りだ。それだけ愛されていた証拠でもあるからだ。
そしてもう1つ、忘れられない出来事がある。ある日、店でふいに客から声をかけられた。
「子どもの頃、親父に連れられてよく通っていました。思い出の味なんです」
その言葉を聞いた瞬間、前島さんは思わず涙がにじんだという。ラーメンは、親から子へと記憶が受け継がれていく料理でもあるのだ。
突然涙を流し始めた客の言葉「実は私…」
最後に紹介するのは、神奈川・中田にある味噌ラーメンの人気店「雪ぐに」。店主の柴田雅大さんは、新潟・妙高の名店「食堂ミサ」で修業を重ね、その味噌ラーメン文化を受け継ぎながら独自の一杯を作り上げてきた。
一昨年のある日、60代半ばほどの男性が店を訪れた。味噌ラーメンを注文し、静かに食べ始めたという。





















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