埼玉から店舗を移転した池袋の物件は、いわゆる「ラーメン屋の墓場物件」。過去に8年で11軒ものラーメン店が入り、短期間で閉店してきた場所だった。案の定、客足は伸びず、移転後は1年半もの間赤字が続いたという。
借金は増え、生活もまともにできない日々。「もう無理なのかな」という考えが頭をよぎる瞬間も何度もあった。
そんなとき、店主を支えていたのは、客の何気ない仕草だった。
最初の一口を食べたとき、客が小さくうなずく。その姿を見ただけで、「まだいけるかもしれない」と思えたという。さらに、その客が数日後にもう一度来店すると、「首の皮一枚つながった気がした」と振り返る。
そしてもう一つ、忘れられない言葉がある。それは学生たちのストレートな感想だ。
「バカうまい!」
少し乱暴な言葉かもしれない。だが、若者が一口食べて思わず口にするその一言には、飾りも計算もない。
「リアルな話、学生たちの“バカうまい”は当時も今も嬉しいですね」
りゅう社長は笑いながらそう語る。ラーメン屋にとって、何よりの評価は、そんなシンプルな言葉なのかもしれない。
客からの「嬉しいお叱り」「思わず涙がにじんだ言葉」
3軒目は、東京ラーメン界を代表するブランドの1つ「せたが屋」。魚介の旨味をきかせたラーメンで人気を博し、国内外に店舗を展開する名店である。
創業者の前島司さんは、これまで多くの店を立ち上げてきた。その中には、惜しまれながら閉店した店もある。
そんなとき、会社に電話がかかってくることがあるという。





















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