【2年連続MLB開幕投手へ】高校時代の恩師が語る、山本由伸がここまで大成した「シンプルな理由」
「結局は『野球が好き』というシンプルな結論に行き着くのだろうと思います。本人は口にはしませんでしたが、体格で大きい選手には勝てないという部分は、彼のなかでコンプレックスだったろうと思うんです。
でも、彼は弱点を弱点とせず、自分がもっとうまくなるにはどうすればいいかを考えていた。好きなものをとことん追求して、自分に合うと思えば継続できる。誰にでもできることではありますが、実際に実行するとなると難しい。それが山本由伸の原点なのではないかと思います」
「もっとうまくなるために、今日から練習します」
森松は山本のメジャーリーグ1年目となった24年、シーズン後に交わしたやり取りが忘れられないという。故障もあって7勝に終わった山本は、森松にこう告げた。
「もっとうまくなるために、今日から練習します」
延岡学園でドラフト候補に挙がっていた藤川を指導する際、森松は胸を張って偉大な教え子を引き合いに出していたという。
「体つきはお前のほうが上だけど、野球にかける姿勢は由伸のほうが断然上だぞ。由伸は体のケアを徹底していたし、試合に臨む準備も日常的にしていた。プロに行けたらそれでいいのか、それともプロで活躍するために練習するのか。そこじゃないか?」
説得力は抜群だった。藤川はめきめきと力をつけ、ドラフト1位の評価を勝ち取った。
再びオリックスとの縁がつながれた教え子を見送り、森松は遠い海の向こうへ羽ばたいた山本への思いを語った。
「由伸には本当にワクワクさせられていますし、夢を与えてもらっています。教え子ながら感謝していますし、彼の野球人生の一部分に、自分がいられたことが幸せです」
森松賢容はそう言って、控え目に笑みを漏らした。
(取材・文/菊地高弘)
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