嫌な友人の「だから言ったじゃん」を封じる返しとは 行動経済学的に、友人関係の悩みを解消する方法

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嫌な言葉は、簡単に忘れることはできません。たとえば、「これからシロクマのことを考えてはいけません」と指示された人は、逆にシロクマのことばかり考えてしまうように、忘れようと思えば思うほど、逆にそのことばかりで頭がいっぱいになることを「思考抑制現象」と呼びます。

J美さんの言葉は、呪いのようにH子さんを苦しめています。J美さんに悪意が全くなかったとしても、認知バイアスに影響された言葉は凶器になり得るのです。

経済学的に友だち関係を考える

ストレスは思考の幅を狭めます。ストレスを感じたH子さんは「しんどさに耐えてでも女子会に参加する」か、「しんどい思いをするくらいなら女子会を脱退する」かの二項対立で考えるようになりました。しかし、どちらもH子さんにとっては失うものが発生し、さらなるストレスとなります。

この場合、「意味づけを変え、第三の選択肢がないか?」を考えたほうが有意義です。たとえば、「J美さんの発言にブレーキをかけられる方法はないか?」「もしできない場合は、J美さん抜きでの女子会を開催できないか?」という問いに置き換えることで、建設的な解決策が出てきます。

たとえば、J美さんに「そうなると思っていた」と言われたときには「だったら、なぜもっと前から具体的なアドバイスをしてくれなかったの? 見殺しにされたみたいで悲しい」と自分の感情(アイ・メッセージ)をあらかじめ用意しておくのがよいのです。

J美さんを非難するようなニュアンスではなく、あくまでも「私は悲しい」というトーンで伝えるのがよいですね。

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そうすることで、J美さんの気持ちが、「私には先見の明がある」という自己満足から「わかっていたのに、友人を救うことに使わなかったのは申し訳ない」という後悔へと切り替わります。少なくとも「ほれ見たことか」といった意見は出てきづらくなります。

そして、H子さんが「これ以上、J美さんに会いたくない」と感じたのなら、距離を取るべきです。経済学は「限られた時間や労力を、自分を押し殺して疲弊するために使うより、自分の幸せのために使ったほうがよい」という明確な答えを持っています。

私がH子さんなら、経済学の原理に忠実に従って「J美さんとは相性が悪いようだ。まだ楽しい思い出も残っているこの段階で、一度関係を休んでみよう」と決めます。

私たちは明日、命を落とすかもしれないのです。相性の悪い人と同席して辛い思いをするよりも、柔軟に人間関係を再構築し、楽しい時間にしたほうがずっと幸せです。

竹林 正樹 ⻘森⼤学客員教授

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たけばやしまさき / Masaki Takebayashi

青森県出身。青森大学客員教授。立教大学経済学部、米国University of Phoenix大学大学院(Master of Business Administration)、青森県立保健大学大学院修了(博士〈健康科学〉)。行動経済学を用いて「頭ではわかっていても、行動できない人を動かすには?」をテーマにした研究を行い、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)をはじめ、各種メディアでナッジの魅力を発信。

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