病床稼働率は88.1%なのに巨額赤字…「正しい医療」するほど赤字膨らむ異常事態 各病院の努力が反映される「機能評価係数Ⅱ」ランキング

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医師や看護師の人件費を削れば有能な人材が逃げてしまう。特に医師は同院の場合、9割を横浜市大病院と慶応病院の医局からの派遣に頼っている。公務員の給与規定に一定程度縛られ、ただでさえ民間病院に比べて低い給与水準をさらに引き下げれば、医局が派遣をやめる事態になりかねない。

病床稼働率が限界に近い状態にある中で、結局のところコストに見合った水準に診療報酬単価が上がらなければ、赤字は解消しないと言わざるをえない。

『日本医師会の正体~なぜ医療費のムダは減らないのか』の著者で、東京新聞記者の杉谷剛氏は、「高齢化と医療の高度化が進む中、健康保険制度を維持していくには診療報酬の引き上げと同時にムダを減らさなければならない。保険料を負担する現役世代の理解を得るためには、街中の小規模な診療所に手厚く、高度な治療をしている大病院に冷たい現行の診療報酬体系の歪みを是正することが必要だ」と指摘する。

不十分な優遇措置

前述したとおり、DPC特定病院群の指定を受けている178の病院(記事末尾に記載)は、国推奨の正しいことをしていると国が認めた医療機関である。だからこそ診療報酬点数の優遇も受けている。だが、その顔ぶれをみると、その優遇措置がいかに不十分なものかがわかる。

経営難が伝えられる公的病院が全体の7割を占め、民間病院は3割にとどまる。民間病院では徳洲会グループが10病院指定されているのが目を引くが、それ以外で複数病院が指定を受けているのは、九州のカマチグループと神奈川の石心会グループ(各2病院ずつ)だけだ。

「国推奨の正しいこと」をする病院が報われなければ、日本が世界に誇る健康保険制度はいずれ立ち行かなくなる。今年6月の診療報酬改定では実質2.2%のアップとなり、32年ぶりに改定率が2%を超えるが、到底人件費や機材、医薬品の上昇分を賄える水準ではない。そもそも歪みの是正はまったく手つかずだ。

診療報酬体系は極めて難解であり、その歪みを国民が理解し、是正を求める声が民意の形になる道のりは途方もなく遠い。

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