では、SPA3の採用でなにが可能になったのか。クリシュナン氏に訊ねた。
「SPA3とSPA2の主な違いは3つあります。1つ目は、車両のリアフロア部分をメガキャスティングによって製作することにより、これまでは120点の部品を組み合わせていたものをひとつの部品に置き換えました。この結果、軽量化が可能になり、スペース効率が改善されたほか、コストも低減しています」
続けて、「2つ目は、SPA3ではバッテリーセルをクルマの構造体の一部として活用しました。これはセル・トゥ・ボディ・テクノロジーと呼ばれるもので、バッテリーセルがボディの一部となっているため、構造がとてもシンプルなほか、軽量化、コスト低減、そして航続距離の延長に役立ちます」
最後に「3つ目はコアコンピューティングと呼ばれるエレクトロニクスのアーキテクチャー。これ自体はSPA2と基本的に同じものですが、その頭脳にはボルボ・カーズ独自のフギン・コア(CPUチップの名称)の最新バージョンを投入しました。フギンの名は北欧神話に登場する神に由来していて、思考を司るとされます。これら3つの特徴により、EX60は優れた性能を発揮するBEV、そしてソフトウェア・ディファインド・ヴィークル(SDV)となりました」。
3つの技術がもたらす可能性
メガキャスティング、セル・トゥ・ボディ、そしてコアコンピューティングなどは、いずれもBEVの進化に欠かせない技術として広く知られており、それらを搭載したBEVも他メーカーからすでに発売されている。
ただし、そうした製品はテスラないしBYDのようにBEV専業もしくはそれに準ずる企業が手がけるもので、ボルボのようにエンジン車で長い歴史を有するメーカーの製品は異例といっていい。3つの新技術を採り入れることは、ボルボにとってそれだけハードルが高いことだったのだ。




















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