【航続距離810km、10分で340kmぶんの充電】26年国内導入予定のボルボ次世代BEV「EX60」はゲームチェンジャーになれるか

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EX60のサイドシルエット。パワートレーンは、最大810kmの航続距離を実現した「P12 AWD Electric」をはじめ、最大660kmの「P10 AWD Electric」、後輪駆動で最大620kmとなる「P6  Electric」の3種類を用意する
EX60のサイドシルエット。パワートレーンは、最大810kmの航続距離を実現した「P12 AWD Electric」をはじめ、最大660kmの「P10 AWD Electric」、後輪駆動で最大620kmとなる「P6 Electric」の3種類を用意する(写真:ボルボ・カー・ジャパン)

そうした一連の流れのなかで誕生したのが、ここで紹介するミドルクラスSUVのEX60だ。EX60が既存のボルボ製BEVと技術的に無関係といえば大げさだが、設計思想的に大きな隔たりがあるという。

EX60の開発責任者を務めたアキール・クリシュナン氏は、私とのインタビューで次のように語った。

「EX60に採用したプラットフォームのSPA3は完全に新しい設計です。したがって本来であれば別の名前が与えられるべきでした」

彼が言いたかったのは、こういうことだ。

SPA(Scalable Product Architecture)と名付けられたプラットフォームは、まだボルボが純粋なエンジン車だったXC90に搭載されて14年にデビューした。これに続くSPA2は、前述した新世代BEV専用モデルの第1弾として企画されたEX90(22年発表)に採用されたのが最初。常識的に考えれば、BEV専用プラットフォームのSPA2こそが完全新設計で、SPA3はその改良版と考えるのが自然だが、SPA2はSPAの考え方から完全には脱し切れていなかったとクリシュナン氏は打ち明ける。

次世代プラットフォームSPA3による変化

EX60のリアビュー
EX60のリアビュー(写真:ボルボ・カー・ジャパン)

「ボルボが生み出したすべてのプラットフォームにはエンジン車から受け継いだヒストリーがあります。我々がエンジン車を設計するときは、まずエンジンとギアボックスがあって、その周辺にボディを構築していきます。こういった手法は100年以上にわたる自動車史で繰り返されてきたことです。しかし、本物のBEVを作るなら、本来、プラットフォームはゼロから作るべきでした」

裏を返せば、SPA2はBEV専用のプラットフォームなのに、エンジン車時代の設計思想を部分的に受け継いでおり、これがBEVへの最適化を阻んでいたのだ。そうした、いわばSPA2で積み残しになっていた仕事をSPA3では完遂したといっていいだろう。

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