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イスラエルによる中東戦争にアメリカが参戦したことによって、21世紀は「戦争の世紀」となってしまった

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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今回のトランプ大統領の武力行使は「エプスタイン問題」と、関係あるかもしれないし、ないかもしれない。この問題は、日本で認識されているよりもはるかに重要で、トランプ大統領の岩盤支持層の不信を買っている最大の要因だ。

それは、児童買春に関わったかどうか、という点ではなく、故ジェフリー・エプスタイン氏が卑劣な手で裏社会的に築き上げた、政財界のネットワーク、まさにディープステートの主要メンバーであったことになるからであり、見捨てられた人々の最大の敵であることになるからだ。

エプスタイン氏がイスラエルのエージェントだったという説もあるが、真偽は定かではない。だが、昔からアメリカは常にイスラエルの利害に忠実だが、トランプ大統領ほど言いなりだった大統領はほぼ存在せず、何か従う理由があるのかもしれないが、それはわからない。ただし、エプスタイン問題が繰り返し政治問題化するかどうか、何度も浮上しているのにあわせて、トランプ大統領が武力行使などに踏み切ることが多いのも事実ではある。

イスラエルの意向に忠実すぎるトランプ大統領

いずれにせよ、ここで重要なのは、トランプ大統領の行動は、戦争に大きく影響するが、彼の行動はあくまで受身、イスラエルの意向に忠実だ、ということだ。

基本に戻って考えれば、イスラエルが、「中東支配」を軍事力によって確立すること、それがイラン攻撃の唯一の目的であり、イラン攻撃と同時に、イスラエルの懸念事項であるテロ勢力を根こそぎ壊滅させることが目的である。ヒズボラ攻撃、レバノン侵攻、すべてがこの単純な論理の帰結である。

この構図は、この約40年、ずっとそうであったが、シリアやスーダン、リビアなどと比べて、イランはイスラエルの最後の目立った敵であり、最終ゴールが近づいていると言える。イランの核関連の施設やミサイル兵器を破壊するのも、アメリカへの攻撃能力をそぐのではなく、「中東における唯一の核戦力保有国」として、イスラエルが圧倒的な軍事力で中東を支配するために必要だからである。コンプリートするための最後のパーツなのだ。

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【一見、トランプ大統領の行動は矛盾だらけだが…】

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