学校の裁量で授業を増減できる「調整授業時数制度」導入へ、柔軟化は重荷にも?問われるのは組織の成熟度
だからこそ、裁量は「個人」に任せるものではなく、「組織」で扱うべきです。校長だけでなく、教務主任やミドルリーダーの役割が重要になります。
実際、現場に裁量を求める声は多い。私も賛成です。しかし裁量は、渡せば回るものではありません。国に求めたいのは、次の点です。
・「成功事例」だけでなく「試行錯誤のプロセス」も共有できる仕組みにすること
・学校設計を支えるモデル(時間割編成、評価、教員配置)の雛形を提示すること
・裁量を教育委員会や学校現場に丸投げしないこと(裁量の孤立化を防ぐ)
「生のプロセス」の公開が全国の学校の財産になる
サキドリ研究校に期待したいのは「勝ち筋」だけの提示ではありません。むしろ、迷いと葛藤の公開です。どこを削るかで揉めた、評価設計で行き詰まった、保護者説明で悩んだ、合意形成に時間がかかった――こうした生のプロセスこそ、全国の学校の財産になります。
制度が問うているもの「調整授業時数制度」は、単なる時数の増減ではありません。
学校が、基準を守る組織であり続けるのか。それとも、目的から逆算して設計する組織へ転換するのか。数値の揺れを恐れて現状維持を選ぶのか。揺れを引き受けて未来を設計するのか。制度が問うているのは、時間数ではありません。学校という組織の成熟度そのものなのです。
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