「よその子と比べてしまう」親がまず見直したいのは子どもではなく自分《令和の子育てに再び響く児童精神科医の教え》

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子どもには、それぞれに持ち味がありますね。のんびりな子もいれば、負けず嫌いな子もいます。それを「いい味わい」にしてあげるのは、「あなたはあなたのままがいいんだよ」と、親が思ってあげることです。子どもに努力を強いるのではなく、親がそう思えるように努力するのです。

お子さんは、あなたとご主人のどんないい面を受け継いでいるのでしょうか。まずそんなところから話してあげるといいですね。「やさしいところはパパに似ているね」「歌が好きなのはママに似ている」「走るのが速いのはパパ似だけれど、パパは6才のときには泳げなかったんだって。そこはあなたのほうがすごい」というように。

そのためには、お母さんが自分や夫のいいところを認めていなくてはいけません。自分の悪いところばかりを見ている人は、他人の悪いところばかりが見えるのです。自分を肯定できる人は、他人を肯定できる人です。

自分自身の生き方に自信をもって

お母さん、自分に自信がありますか?

子どもを「いい子」「優秀な子」に育てて自信をつけるのではありませんよ。自分自身の生き方に自信をもつことが大事なのです。

人は誰だって、弱点や欠点をいくつも抱えているものです。そこを気にしすぎず、人間はそういうものなのだと割り切って、自分なりに努力して、「いつかこういうことができるようになりたい。がんばろう」と思えることが、自信のある人の姿だと思います。

そして、子どもにも伝えてください。「いまはできないことがあるけれど、いつかできるようになるといいね。もっとこんなこともできるようになるといいね。そのときを楽しみに待とうね」と。

わたしがカナダに留学していたとき、担当の医師に「自己肯定感を高めなさい」と言われました。「自分の中に肯定すべき部分がどれほどあるかを、静かに見つめて、かみしめておくといい。そうでないと、他者を肯定する力はわいてこないものだ。

そして、他者を肯定する力がない人間は、子どもの精神科の医師になってはいけない」と、そう言われました。保育士も同じです。学校の先生も同じです。もちろん、親もそうです。

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わが子の長所を見つける前に、まずは自分自身の長所を静かな気持ちで探してみてください。そして次に、夫という身近な人の長所にも目を向けましょう。いい部分がちゃんとわが子に受け継がれていることもわかると思います。

そしてどうか「この子はいい子だ」と信じてください。「わたしの子だから、夫の子だから、いい子に育つに違いない」と。そうすることで、子どもは親が思うように育っていくのです。

この子はいい子だ、こういうところがすばらしいと、そう日ごろから思っていれば、必ずそういう人になっていきます。人間とはそういうものです。

佐々木 正美 児童精神科医

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ささき まさみ / Masami Sasaki

1935年群馬県前橋市生まれ。新潟大学医学部医学科に編入学し、1966年同校を卒業。その後、東京大学で精神医学を学び、同愛記念病院に勤務。1970〜1971年にブリティッシュ・コロンビア大学に留学、児童精神医学の臨床訓練を受ける。帰国後は、国立秩父学園、東京大学医学部精神科に勤務後、小児療育相談センター(横浜市)、横浜市南部地域療育センターで児童臨床医として地域ケアに力をそそぐ。川崎医療福祉大学特任教授(岡山県)、ノールカロライナ大学非常勤教授、横浜市総合リハビリテーションセンター参与などを歴任。著書に『子どもへのまなざし』(福音館書店)など多数。2017年没後も、そのメッセージは多くの親たちを励まし続けている。

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