「体験」は決して“お飾りのさくらんぼ”ではない。候補者にいい体験を提供できれば「効果」「効率」にもいい影響があるはずだ――私の中で「これは絶対に解決すべき問題だ」との思いが、だんだんと強くなっていきました。
不合格者でも8割が「採用プロセスに満足」
社内で「体験」のプライオリティを高めるには、データの裏づけが不可欠です。私が社内外のさまざまな研究論文や調査結果の収集に奔走する中で、重要な示唆をもたらすデータを発見しました。
「グーグルに内定し、採用される人の約52%は、過去に1回以上グーグルの面接を受けたことがある」
グーグルに入社する人の実に2人に1人は、不合格となった経験がある。ということは、たとえ不合格であっても「グーグルを受けてよかった」と思えるようなポジティブな体験を提供できれば、再チャレンジを促し、リクルーティングの効率も高められるはずだ、という確証が得られました。
さらにピープル・アナリティクスチームの協力を得て、候補者の満足度と内定受諾率の関連を分析してみました。すると、採用プロセスに「満足している」層では10人中9人が内定を受諾していたのに対し、「満足していない」層では10人中7人しか受諾していなかったのです。
いい体験を提供できなければ、内定受諾率が90%から70%に低下する――この事実は、グーグルの採用戦略チーム全体にも大きな衝撃を与えるものでした。内定受諾率の低下は、優秀な人材を逃すという意味で「効果」に悪影響をおよぼし、さらに内定までにかかる工数や人件費がすべてムダになるという意味で「効率」も悪化するからです。





















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