「敗北確率75%」に挑む"トランプ政権の正念場" ベネズエラ攻撃、グリーンランド領有の背後に渦巻く「トランプの思惑」とは

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現在の状況をみれば、トランプ大統領の支持率は低下傾向にあり、その中で上下院ともに勝利するというのはかなり難しいことだと思われます。

いくつかの情勢分析を見てみると、上院では共和党がかろうじて民主党を上回ると予想するものが多いですが、下院の情勢はまだ不透明で、民主党が多数派になる可能性も指摘されています。

アメリカの大統領と議会の関係は、日本のような議院内閣制ではなく、大統領と議員を別々の選挙で選ぶ、互いに独立した存在であり、さらに議会の上下院は日本の「衆議院の優越」のような優越がありません。

日本のように内閣の総辞職や衆議院の解散のように、対立関係をリセットするようなしくみもないために、上下院の一方を失うだけでも大統領と議会、上院と下院の対立状態が発生し、この状況を維持したまま次の選挙まで政治が「空転」することになります。

そうなると歴代の大統領たちのように、その任期の後半は大統領独自の方針を打ち出すことができず、現状維持的な政権運営を余儀なくされます。

もちろん、トランプ大統領もこうした経緯を知らないわけではないでしょう。そのため、トランプは「レガシー」を積み重ねることで存在感をアピールしようとしているようです。ベネズエラ攻撃を行って「我々がベネズエラを運営する」と宣言したり、グリーンランドの領有への強い意欲を示したりしました。あるいは、ノーベル平和賞を受賞したいという願望を頻繁に口にしています。

海を隔てた地にいる我々にとっては、こうしたトランプのふるまいは「突拍子もない」印象を与えるかもしれません。しかし、トランプの言い分としては、これらのふるまいは「これまでにアメリカ大統領がやってきた」ことであり、「アメリカの歴史を踏まえたもの」なのです。

アメリカの歴史を踏襲した「ベネズエラ攻撃」

2026年の年明けすぐ、アメリカ軍がベネズエラの複数の地点を爆撃し、ベネズエラのマドゥロ大統領夫妻を連行した事件と相前後し、トランプは西半球への関与を強化する方針を打ち出しています。「モンロー主義のトランプ版」である、いわゆる「ドンロー主義」です。

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