職を失った男の常軌を逸した行動…韓国の怪作映画『しあわせな選択』、世界を魅了する「狂気」の正体

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
しあわせな選択
平凡なビジネスマンだった主人公が闇落ちするシーンは、残虐さのなかにユーモアがにじむ(写真:『しあわせな選択』(C)2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED)

20年の『第92回アカデミー賞』で、『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)が外国映画で初めて作品賞を受賞し、アジア映画の歴史を変えたが、本作はそれ以来の韓国映画の注目作になっている。

常軌を逸した狂気が家族を巻き込む

今作の原作は、米作家ドナルド・E・ウェストレイクの小説『斧』。平凡なビジネスマンの心の奥に潜む狂気と、それが強烈な暴力となってあぶり出される様を描くミステリーの名作だ。

パク・チャヌク監督が強い関心を抱くのも納得の戦慄の物語であり、彼特有のストーリーテリングによって映像化された本作は、とんでもない怪作に仕上がっている。

しあわせな選択
狂気の根底にあったのは家族への愛だが、主人公の暴走は止まらなくなる(写真:『しあわせな選択』(C)2025 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM ALL RIGHTS RESERVED)

映画版の舞台は現代の韓国。主人公は外資の製紙会社で25年間、堅実に仕事をしてきたビジネスマン。郊外に大きな家を持ち、2人の子ども、2匹の犬と過ごす理想的な暮らしを実現させ、“すべてを叶えた”人生を自負している。

しかし、会社から突然解雇されたことで、すべてが変わる。それまで必死に築いてきた生活も、その先の未来も一瞬にして崩壊した彼は、再就職を目指すも不況下の現実は厳しく、次第に追い込まれていく。

次ページ生々しくグロい描写が観客の感情を切り裂く
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事